大須は萌えているか?

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F1[20] バーレーンGP……のはずだったのにどうしてこうなった

いやまあバーレーンGPの延期は先週の段階で決まっていたので、タイトルはなんとなくなんですが。

開幕戦オーストラリアGPが土壇場で中止になるというドタバタの展開から1週間、状況はさらに悪化の一途を辿ってますね。オランダGPやスペインGPも開催延期は避けられない、というのは先週時点から言われてましたが、モナコGPは「延期は不可能」として開催中止となってしまいました。

Dutch and Spanish Grands Prix postponed, Monaco cancelled due to coronavirus | Formula 1®

なにせ国を挙げての市街地コースで開催されるイベントなので、開催時期が流動的でやるかやらないかもハッキリしない状況ではむしろ悪影響がある、ってコトなんでしょうかね。F1を象徴する1戦でもあるだけに、なんとか開催したいという向きもあったんじゃないかと思うんですが、いたずらに判断を引き延ばすよりは、というコトでしょう。オーストラリアのグダグダぶりとは対照的ですねえ。

F1世界選手権としてのモナコGPは1950年に初開催され、次が1955年、それ以降は毎年ずっと開催されてきたイベント。モナコGPが無いF1は1954年以来となるワケで、まさに「前代未聞」……ではないんですが、まだレース数が少なく、手探り感溢れる時代だったF1黎明期以来の出来事ではあるワケで、「異常事態」といっても差し支えはないかと思います。……萎えるわー、超萎えるわー。オーバーテイクのできない退屈なコースとはいえ、やっぱモナコってF1の華ですからねえ。

6月に予定されているアゼルバイジャンGPについてはまだ特になんのアナウンスもありませんが、状況は流動的なのでこのタイミングでF1が開幕できるのかどうなのかは断言できない状況ですね。

この状況を受けて、本来であれば毎年8月に2週間設けられているサマーブレイクを3~4月に前倒し・かつ期間を延長するコトが決定されましたね。

F1サマーブレイクの春季実施&期間延長が決定。2020年カレンダーは変則的に | F1 | autosport web

サマーブレイク期間中は各チームがファクトリーを閉じなければならず、チームスタッフはその間休暇を取ったりするワケですが、今年は3月から4月の間に21日間連続の操業停止を行うこと、とされたようで。どうせレースを開催出来ないのだから今のうちにきっちり休んで、その代わり夏は詰め込めるだけレース詰め込むぜ、というコトのようです。……それはそれで大丈夫かな……。

今後のレース日程のリスケジュールはチームと協議の上決めていくようですが、柔軟な対応を可能とするため、カレンダーの組み直しに正式な(全チームによる)承認手続きを必要としない、という合意もされたようです。確かに、新しいカレンダーの承認手続きに都度時間が取られているようでは、どんどん時間が過ぎ去ってしまいますしね。

Formula 1 and the FIA will now work to finalise a revised 2020 calendar and will consult with the teams, but as agreed at the meeting the revised calendar will not require their formal approval. This will give us the necessary flexibility to agree revised timings with affected race promoters and to be ready to start racing at the right moment.

via: F1 and coronavirus: An update from Formula 1 CEO Chase Carey | Formula 1®

さらに、来年(2021年)から予定されていた、大幅なテクニカルレギュレーションの改定が2022年に延期されましたね。

FIA announce new F1 regulations to be delayed until 2022 | Formula 1®

これは今年のレース数が削減されたことによって各チームの財政状況が悪化する(レース数が減れば分配金も減るし、スポンサー収入も目減りする可能性がある)ことを受けての措置ですね。こんな状況で、大規模なレギュレーション改訂に備えてのマシン開発する余力なんて無いよ、というワケです。トップ3チームは余力有りそうですけど。

チェイス・ケアリーのコメントによれば、2021年は今年のシャシーを流用することでもチーム間の合意が取れており、さらなるコンポーネント開発の凍結についても議論される予定のようです。また、以前から導入予定だった2021年からの新たな財務規則(いわゆるバジェットキャップ)の導入は、予定通り実施される模様。

Due to the currently volatile financial situation this has created, it has been agreed that teams will use their 2020 chassis for 2021, with the potential freezing of further components to be discussed in due course. The introduction and implementation of the Financial Regulations will go ahead as planned in 2021.

via: F1 and coronavirus: An update from Formula 1 CEO Chase Carey | Formula 1®

場合によっては、来年もほぼ今年そのまんまのマシンが走るコトになりそうな気配となっており、すでにCOVID-19の影響は2021年にまで及んでしまっている、というワケですね。

中には、2020年シーズンが2021年にまたがって開催されるのでは、なんていう観測も出ていますが、それはそれでかなりややこしいコトになりそう(例えば、アブダビの最終戦開催契約はどうなんの?とか)なので、なんとか今年中に16戦(F1中継局との契約違反にならない最低ライン)以上は開催して、チームの収入が減ってしまう点については開発凍結でカバーするよ、という感じなんでしょうきっと。あるいは、アブダビを後ろにずらすとかってコトも考えてるのかな……?

ちなみに、以下の記事で指摘されているんですけど、考えてみたらマクラーレンって2021年にルノーPUからメルセデスPUにスイッチする予定ですよね……。

Sticking with the 2020 chassis does raise an interesting challenge for McLaren, who are set to switch from Renault to Mercedes power for 2021.

Each manufacturer’s power unit has a very different architecture, so it’s not as simple as taking a Renault out and plugging a Mercedes in.

via: ANALYSIS: What the 2021 rules delay means for F1 | Formula 1®

シャシーは2020年のものを流用しなければならない、となると、そこにメルセデスPUをポンと載せられるの……?しかもバジェットキャップありの中で……?状況が状況なので、メルセデスへのスイッチを1年遅らせるというオプションも考えた方が良いのでは、って気もしますが、ルノー側が難色を示しそうね。いやこれ、ホントどうなるんだろう。

しかし、多くのステークホルダーが複雑に絡み合うF1にあって、この状況で大がかりな決断を矢継ぎ早に行っているコトは評価されるべきなんだろうな、とは思います。オーストラリアのグダグダには失望しましたが、その失態をカバーしようと全力で突っ走ってる感ありますね。

……しかしそれはそれとして、早く今年のマシンがレースしているところを見たいね……。

あ、あとiPhoneAndroidのF1アプリで課金してライブタイミング使っている人は、「Important information about your F1 TV subscription」ってタイトルでformula1.comからメール来てると思うので、見てないって方はチェックしてみると良いかもしれません。3月末までにWEBページ上で手続きすると、iTunesギフトカードかなんかを貰えるみたいです(なお、自分もとりあえず手続きしてみましたが、まだ貰えてません)。