大須は萌えているか?

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F1[20] ハンガリーGP 予選

レッドブルリンクでの連戦のあと、初めてロケーションを変えてのレース。関係者からコロナ陽性者が2人出たみたいですが、オーストリアには行っておらず、また前線に参加している人でも無かったため大事にはなってないようですね。F1ハンガリーGP予選。

メルセデスPU 1-2-3-4

ドイツの科学力が止まりませんね(?)。昨年はフェルスタッペンがキャリア初のポールポジションを獲得するなど、レッドブル・ホンダとしては相性の良いはずのこのサーキットで、メルセデスがフロントロウ独占、そして「なんちゃってメルセデス」として定評のある(?)レーシングポイントがセカンドロウを独占して見せたのだから、これはちょっとした驚きです。てか、レーシングポイントマジで速いですね。

メルセデスは昨年のQ3タイムが1:14.590(ボタス)と1:14.769(ハミルトン)だったのに対し、今年は1:13.447(ハミルトン)と1:13.554(ボタス)と2人揃って1秒以上も縮めてみせているんですね。

そしてレーシングポイントはというと、昨年は2台揃ってQ1ノックアウト。1:17.109(ペレス)と1:17.542(ストロール)というタイムだったのが、今年はQ3まで行って1:14.377(ストロール)と1:14.545(ペレス)と、3秒前後速くなっている(!)という驚速ぶり。

メルセデスのトト・ウォルフはこのレーシングポイントの躍進を、「小規模予算のチームが先頭争いに加われない」という言説の反証になると喜んでるみたいです。

“I am happy for Racing Point because we were hearing in the past years always that the smaller teams on the smaller budgets were not able to compete at the at the front,” said Wolff. “And here we go, somebody with a vision and with an idea of where to prioritise has managed to really make the jump from the midfield into the top teams.

via: Racing Point prove teams with small budgets can be competitive - Wolff · RaceFans

とはいえ、そのレーシングポイントがメルセデスから合法的な範囲での技術的供与(違法なものは無いと主張しているので)を受けているという背景もあるワケで、それってやっぱりビッグチームありきなのでは……という気もしてしまいますが。

突き詰めていくと、この「ピンク・メルセデス」騒動は合法・違法という法律的な議論ではなく、フィロソフィーの問題だというワケです。つまり、予算の少ない中規模チームが、大規模チームと真っ向勝負できる環境を作るためには、ある程度の技術供与を認めていくべきか、あるいはあくまでチームは独自の技術開発を貫くべきか、みたいなF1チームの在り方を巡る、思想的な問題だと。これはなかなか結論の出ない話なんですよねえ……。

トロールがペレスを上回ってみせたというのも正直驚きなんですが、あとは決勝でも上回れるかですね。2台とも完走したレースで、ストロールがペレスを決勝でも上回れるケースは極めて稀なので。そういや、以前にもストロールが上位グリッドからスタートしたレースがあったような……と思ったら、ウィリアムズ時代の2017年、モンツァで2番手スタートというのがありましたね(予選タイムは4番手)。

時折、ツボに入ると速さを見せる感じありますねストロール。あとはこの速さをコンスタントに出して行ければ、お坊ちゃん扱いはされなくなるんじゃないでしょうか。なお、ペレスは予選中目眩がするなどして体調が万全では無かった、とコメントしていますが、これがストロールに負けた言い訳なのかホントに体調不良なのかはようわかりません。

“I didn’t feel 100% physically during qualifying, I was getting dizzy through qualifying, that’s not great,” he explained. “I need to check with my physio what is going on. I should be OK for tomorrow.”

via: Perez felt ‘dizzy’ and not ‘100% physically’ in Hungarian GP qualifying | Formula 1®

ついでに言うと、これまたメルセデスPU勢のウィリアムズ・ラッセルが前戦に続き12番手に食い込んでいるのも注目に値しますね。Nice one! ふつうにドライで行われた予選だしね。ラティフィも15番手でQ2進出を果たしているうので、ウィリアムズはもはや「最後尾のチーム」では無くなったようです。

Russell ‘annoyed’ to miss Q3 as Williams record best qualifying since 2018 | Formula 1®

ラッセルは「僅差でQ3を逃してイラッとした」ともコメントしており、手応えはあったんでしょうね。彼は将来メルセデスワークスに乗るべきドライバーなんでしょう。

決勝はメルセデスとレーシングポイントがミディアムスタートとなり、タイヤ戦略的には有利な立場にあるといえるので、下手すりゃ決勝もそのままメルセデスPU1-2-3-4が見られるかも知れない……ですが、雨が降った場合話が変わってきますね。それに、レーシングポイントって決勝のストラテジーがイマイチで、予選の順位をうまく決勝のリザルトに結びつけられるコトが少ないような……。

悪くは無かったフェラーリと、悪かったレッドブル

3列目を固めたのがフェラーリの2台。もっと悲惨な順位かと思っていたので「あれ、意外と悪くないな」という印象。昨年の予選が4・5番手だったので、そういう意味では昨年並みのパフォーマンスを発揮できているワケです。ダウンフォースはあるクルマみたいなので、中~高速コーナーが主体のこのコースだと弱点を目立たなくするコトが出来た、って感じでしょうか。ただ、他のフェラーリPU勢(アルファロメオ・ハース)は相変わらず下位に沈んでおり、悲惨な感じですね。

ホントならもっと上位を期待できたハズのレッドブルは、フェルスタッペンでも7番手がやっと、アルボンはQ2ノックアウトの13番手という有様。予選タイムは昨年よりむしろ悪化しています。金曜日からずっと両ドライバーともマシンの挙動に不満を訴えており、なんらかの問題を抱えていることは明らか。そしてそれが土曜日にも解消してなかった、というのが一番問題でしょうね。中~高速コーナーでリヤがズルッと滑るような神経質な挙動を見せており、これではこのサーキットを自信を持って走るコトは難しい……。

フェルスタッペンは「セットアップに関係するものでは無いと思う」とコメントしており、「クルマを限界に近付けていくとちょっとトリッキーになって、簡単にリヤを失うかアンダーステアが酷くなる」とも言ってますね。

“If we would have understood [the problem] we would have made it better, so something is clearly wrong. We’re still looking into it. I don’t think it’s set-up related.”

The car has looked tricky to drive from winter testing onwards, with Verstappen spinning a number of times, including in this morning’s practice session.

“You push it [the car] to the limit but when you get to that limit it becomes a bit tricky and easy to lose the rear or you understeer wide,” he explained.

via: ‘Something is not working’ – Verstappen at a loss to explain Red Bull’s dip in form in Hungary | Formula 1®

場合によってアンダーだったりオーバーだったりする、というのはアルボンも訴えていたような……。フェルスタッペンはそれでもなんとか7番手のタイムを出せたものの、アルボンはそこまで対応できなかった、というコトなんでしょう。

アルボンを昔から知るラッセルは、今の状況はアルボンを不当に貶めていると怒っているようで。仲間思いのナイスガイだなラッセル。

“I feel really bad for him because he’s being made to look like an idiot and he’s absolutely not. He’s won in everything he’s done, so I don’t know what is going on but they need to sort it out for him.”

via: Russell says Albon ‘being made to look like an idiot’ after Red Bull driver’s surprise Q2 exit in Hungary | Formula 1®

アルボンも、思うように応えてくれないマシンにフラストレーションを溜めているようで、ひょっとしたら昨年のガスリーも同じような気持ちを味わったのかなあ……なんて思ったりも。ミハエル・シューマッハ時代のベネトンは「シューマッハ特化のマシンになりすぎてて他のドライバーが気の毒」なんて声もありましたが、今のレッドブルはエースのフェルスタッペンですらマトモに乗れない状態になっているんだから、これは想像以上に重傷な感じが……。

アルファタウリのガスリーはPU不調を訴えて、結果としてPUを載せ替えるコトになったようで、ホンダの方も信頼性にやや不安があるのが気がかり。得意なハズのハンガリーに来て、ここまで問題が噴出するとは……。

ホンダF1田辺TD予選後会見:メルセデス 、レーシングポイント、フェラーリの後塵を拝した受け入れ難い「ショッキングな差」【F1第3戦土曜】- F1速報公式サイト -

チェッカーフラッグ注文してみた

余談なんですが、開幕前に「各レースのチェッカーフラッグを切り分けて販売する」って話あったじゃないですか。

F1、チェッカーフラッグを切り分けてファンに販売。名前入りで約27000円、本物を証明するホログラムも | F1 | autosport web

これ、F1公式サイトにも記事があって、

F1 to sell chequered flag squares as part of #WeRaceAsOne initiative | Formula 1®

各レースの開催日と「Flag On Sale」って日付が一覧で書いてあるもんだから、この「Flag On Sale」の日にそのレースのフラッグの注文受け付けが開始されるのかな、と思ってハンガリーGPのフラッグ発売日くらいに販売ページを覗いてみたんですね。

そしたら、ハンガリーはおろかその先のレースの分まで既に販売されちゃってて、全部売り切れになってたんですよ。まあ、1レースあたり56枚しか無いんだからすぐ売り切れますわな。これじゃあ、手に入れようと思ったら頻繁に販売ページチェックせなあかんやん……と思ってその後しばらくこの件は忘れていたんですが、先日ふと思い出して販売ページを開いてみたら、9月下旬開催のロシアGP分が販売されていたので思わず注文しちゃいました(他のレースは全部売り切れ)。

#WeRaceAsOne

なお、この記事を書いている現在はまだ在庫ありの状態になっており、つまり皆シルバーストーンモンツァで使用されたモノは欲しいけど、ソチはノーサンキューってコト……?

個人的には、もちろん鈴鹿でレースが行われるのであれば鈴鹿のが欲しいところではありましたが、残念ながら日本GPは開催されないので、それならまあ特にコダワリは無いかなあ、って感じです。#WeRaceAsOne の理念自体は素晴らしいものだと思いますし、それがF1を変えていく力にもなるのであれば、買ってみようかなあと。

ちなみに値段はどのレースも199.99ポンド(ググったレートだと27,000円くらい)なんですが、日本への送料が別途60ポンドかかるので、35,000円くらいになるでしょうか。私はPayPalで決済したんですが、またうっかりPayPalの為替手数料で買っちゃったもんだから、請求額は36,713円になりました(あとは届くときに関税と消費税が掛かる)。

チェッカーフラッグの切れ端に4万円払うというのもなかなか酔狂な話な気もしますが、まあ今年は鈴鹿に行くコトもないのでその代わりというコトで……。それに、各レース56枚しか販売されない切れ端に、自分の名前が入って額装されたものが送られてくるっていうのはちょっと記念になるじゃないですか。あとはせいぜい、今年のロシアGPが見応えのある展開になるコトを祈るばかりです。

あと、サイトをよく見ると、メール登録をしておくと各レースのチェッカーフラッグ発売日をメールでお知らせしてくれるみたいなので、興味がある方は登録してみると良いかもです。ロシアのあとのスケジュールはどうなるのか、まだよくわかりませんが。

このF1 Authenticsというサイト、他にも実際にレースで使用されたパーツやウェア、ドライバーのサイン入りグッズなんかを販売しているようですが、どれも相応のお値段がするのでホイホイ買えるものでもありません(送料も高いし……)。オークションページを見ていたら、ルノーのブレーキディスクを時計に仕立てたアイテム(リカルドのサイン入り)なんてのがあって物欲をそそられたんですが、25ポンドから始まったものが3日のうちに900ポンドまで値がせり上がっており、見なかったコトにしました。

Daniel Ricciardo Signed 2019 Renault F1 Team Brake Disc Clock | F1 Authentics

とはいえ、そのドライバーの熱心なファンだったら思わず手を出したくなるかもなあ……いや私はお金無いので、こういう世界はあまり見ないようにしないと……。