大須は萌えているか?

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悩ましい「ニュース読むのにいくらまでお金を使うか問題」

以前、自分が使っているサブスクリプションサービスを書き出してみた記事で、

ニュースにお金払うのは別に良いんですけど、もうちょっと複数のソースの有料記事を、本数少なめでいいからつまみ食いできるようなサービスが好ましい。朝日も読売も日経もちょっとずつ読める的な。まあ難しいでしょうけど。それができないなら、ふだんは無料で見られるヘッドラインだけチェックして、じっくり掘り下げてみたい話題があるなら、それにまつわる本でも買って読む方が良い気がする。

via: Adobe CC フォトプランを使うことにした……ら、自分がどれだけサブスク利用しているのか気になったので棚卸ししてみた - 大須は萌えているか?

てなコトを書いたんですけど、これが今でもけっこう悩ましい問題だったりします。つまり、ニュースサイトにいくらまでお金を払うべきか、どこのニュースサイトを購読すべきか、という話です。

昔のインターネットは「記事は無料」が当たり前で、新聞社のニュース記事も無料だったワケですが、2010年くらいに日経新聞のWEB版が有料化に踏み切ったのを皮切りに、他の全国紙も追随して有料化に踏み切っていった記憶あります(間違ってたらゴメン)。

速報レベルの記事だとログイン不要・無料で読めるものもありますが、だいたいはログインしないと記事の一部だけしか読めないとか、無料会員だと全文読める記事は月10本まで、みたいな制限が掛かります。日々のニュースでちょっと気になる記事をポチポチクリックしていると、月10本なんてのはあっという間に超えてしまう。そうなると有料会員になるしかないかなーと思うんですが、じゃあどこのサイトにどこまでお金を払う?ってなると、なかなか悩ましいなと。

んで、とりあえず朝日新聞デジタルの月額980で月300本まで有料記事が読めるコースに入会していたんですけど、自分の読んだ記事の数を見てるとせいぜい月150本くらいだったんですね(会員ページで確認できる)。んで、上に挙げた記事を書いたあと一度解約したんですけど、解約したらしたで、ちらほら読みたい記事があるもんだから、結局また再加入してしまいました。

他の新聞社やニュースサイトの記事も含めれば月300本以上のニュースを読んでいると思うんですけど、朝日新聞だけでそんなに読むかって言われると、それはまずない。なんかこう微妙にもったいないような、「帯に短したすきに長し」的な感覚が……。

雑誌の『dマガジン』みたいに、複数の新聞社の記事を横断的につまみ食いできるサービスがあれば一番良いんですが、ていうかそれってつまり「Apple News+」じゃないのかって気もするんですが、日本では展開されてないんですよね。

「Apple News+」発表、ニュースに加え300の雑誌が購読できて月額9.99ドル–日本は含まれず - CNET Japan

日本で展開したところで、全国紙がみんな揃って参加するかというと難しい感じもしますが。池上彰とかが「新聞がテレビとかより意見が偏るのは当たり前、むしろそれを前提として複数紙を読み比べてみるのが良い」と言っているのを聞くと確かにそうだな、とは思うものの、じっくり読むわけでもないモノにあまりお金使うのもったいなくね?という感覚がどうしても抜けません。紙の新聞なんて明らかに高いって思っちゃう。日々の報道を分析したりするコトを生業としている人たちにとっては、必要経費みたいなモノでしょうけど。

日経電子版は、デジタルのみのコースでも紙の新聞とほとんど変わらない料金が掛かりますが、会員数の伸びは堅調で、特に20代のユーザーが増えているとか。

日経電子版、有料会員70万人に 20代や女性がけん引役  :日本経済新聞

「社会人たるもの日経くらい目を通しておけ」みたいなコト言われて加入しているんだろうか……みたいな気もしますが、個人的には日経に月4,300円はちょっとなあ……って感じ。そこまでして読みたい記事って多いかな、日経って……?

そして最近、なにを思ったか毎日新聞の有料会員になってみたりしています。2ヶ月間、月100円で使える(通常は月980円)っていうので思わず、ってのもあるんですが、毎日新聞の有料会員になるとウォール・ストリート・ジャーナルWSJアメリカ全国紙No1の発行部数の経済誌)も併せて読めるようになるんですよね。WSJは日本語版のサイトもあるものの、単体で購読しようとすると3,000円くらい取るのに、なぜか毎日経由だとセットで付いてくる不思議。

毎日新聞の他にもダイヤモンド・オンラインNewsPicksの有料会員でもWSJがセットで読めるようになるみたいなんですが、月額料金でいうと毎日新聞が一番安いです。

あと、朝日の場合は980円コースだと月300本という閲覧本数制限がありますが、毎日の場合制限がありません。あと、毎日の場合半年とか1年分まとめて契約すると料金が下がりますが、朝日はそういうのありません。すごいぞ毎日。ただ、読みたい記事は朝日の方が多いけど。ただ、WSJ日本版もそこそこ読んでみたい記事はあるので、悪く無いかなーという感じです。

難点をいうと、朝日も毎日も「リベラル寄り」とされているメディアだというコトでしょうか。ホントなら、いろんな立ち位置の情報をバランスよく摂取して、それぞれの「偏り」をウォッチしながら自分の中で咀嚼していくのが良いと思うんですが、そういう意味だと朝日も毎日も立ち位置が似ているので、偏りの補正が効きづらい気がしないでもありません。

保守寄りのメディアというと読売とか産経あたりが思い浮かびますが、愛知県という中日ドラゴンズ文化圏に住んでいる身としては読売にお金を払うのはなんとなく抵抗感があります(?)。あと、読売新聞の場合デジタル版だけの有料会員っていうのが無いんですよね。

産経新聞はというと、1,800円のプランしかない。これ、紙面をデジタルビューワーでまるっと読めるもので、それを考えると日経や朝日より割安なんですけど、WEBページで有料記事を見たいだけっていう向きからすると他に選択肢は無いの?っていう。

あとは、NHKとか無料で読めるニュースサイトの記事もつまみ食いしながら、って感じですかねえ……あ、そういやアメリカの新聞だとニューヨークタイムズも有料化シフトに成功したメディアとしてしばしば紹介されていますが、ここは無料で読もうと思えば読む手段がアレコレある(たとえばRSSリーダーに登録して全文読み込み機能を使ったりするとふつうに全文読める)緩さがあったりもする不思議なサイト。日本語版が無いので、ふだんは見出しをざざっと眺める程度ですが。

新聞に対してやたら「中立」であるコトを求める人も居ますが、その「中立」の定義も人によって異なる以上、読者の側がそれぞれのメディアの立ち位置を理解したうえで、バランスよく情報を摂取する必要があると言えるかと思います。「マスゴミは偏向・ねつ造だらけでダメだ」みたいなコトまで言う人もいますが、正直SNSで情報発信している人の多くはそのバックボーンが不明であることが多く、その立ち位置がわからない以上はマスコミより余程「偏向・ねつ造」の可能性を疑うべきで、そういう意味ではやはり取材力のある新聞社の、世の中を掘り下げた記事にお金を払う価値はあるんだろうと思います。

ただ、インターネットにけっこう昔から触れていて、「ニュースはタダ」っていう感覚が染みついてしまっていた身としては、月5000円とか1万円とかって払うのはどうも抵抗があるのも事実で、おそらくまだこの先当分「どこにいくらまでお金を払うか」というコトには頭を悩ませるコトになりそうです。