大須は萌えているか?

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F1[20] スペインGP 決勝

タイヤに懸念の無い状態のハミさんの強さときたら…… F1スペインGP決勝。

ハミルトン完勝&フェルスタッペンの冷静さ

ポールポジションからトップを明け渡すことなくチェッカーを受けたハミルトンの完勝でした。最後にフリーストップを得てタイヤ交換したボタスにファステストラップは持って行かれましたが、まあ完全勝利といって良い内容でしょう。今回はメルセデスより先にレッドブルの2台がタイヤに悲鳴を上げており、スムーズな路面と固めのタイヤである場合むしろメルセデスに優位性がありましたね。タイヤの空気圧が前回のようにパンパンになってなかったのも味方したでしょうか。

スタートではボタスが出遅れてフェルスタッペンがハミルトンを追随する展開になったものの、ハミルトンはタイヤをマネージメントしながらフェルスタッペンとの間隔をコントロールする余裕がありました。そういう意味では、早々に勝負の行方は見えていた感じでしたね。記者会見で「どの時点でハミルトンとは勝負にならないと感じたか?」と問われたフェルスタッペンは、「第1スティントの途中でハミルトンがペースを上げ始めた時点で無理だと思ったよ」みたいなコメントしてますね。

MV: No, towards the middle of that first stint when Lewis started to pick up the pace I couldn’t really follow so I knew that that was it for today. I’m just going to manage my race from now on and try to make the best of it.

via: FIA post-race press conference - Spain | Formula 1®

早々にハミルトンとは勝負にならないことを見切り、対ボタスに意識を切り替えたからこそ、ピットに対して「自分達の戦いに集中しようぜ」と呼びかけたりしていたワケですね。このへん、すごい冷静ですねこの若者は。前戦のように勝機があると踏んだときはイケイケになるし、トップに追いつけるパフォーマンスが無いと判断したときにはそのとき得られる最大限の結果を意識した走りに徹する。これまさにワールドチャンピオンになるドライバーが実践しているコトですよねえ。

ハミルトンは「先週のレースで起きたことを我々が理解した帰結として、今日の勝利を掴むことができたんだ。ファイナルラップだってことがわからないくらい集中していた」みたいなコメントをして、チームの分析能力にも敬意を表したハミルトンですが、

Management was very, very good and ultimately our understanding of what happened last week that we brought into this weekend has inevitably enabled us to do what we did today. I didn’t even know it was the last lap at the end. That’s how zoned in I was. I was ready to keep going.

via: FIA post-race press conference - Spain | Formula 1®

その後記者会見でもう少し細かく質問されると、「今週はマシンに大きな変更を加えてはいない。先週起きたことはもっと完全に理解する必要がある」みたいなコトも言ってますね。異なるサーキットと固いタイヤという今週末の状況にうまく適合はできたけど、先週のレースと同じ状況に置かれたら、またブリスターに苦しめられる懸念は残っているというワケです。

So that was really… again, we didn’t really change a huge amount coming into this weekend. I think fundamentally we still need to fully understand exactly what happened last week. I think we just dealt with different circumstances this weekend in terms of different track and a harder tyre.

via: FIA post-race press conference - Spain | Formula 1®

ただ、柔らかいタイヤで戦うシチュエーションも改善していけるだろう、ともコメントしてますけどね。

先週とは打って変わってメルセデスに有利なシチュエーション、そこにハミルトンの集中力が加わっての完全勝利というワケでした。ハミルトンはこれでミハエル・シューマッハの持っていた通算表彰台獲得回数を上回ったそうで(156回)。通算勝利数もミハエルの記録にあと3つで並ぶコトになるので、この勢いだとこちらも今年中に更新しちゃいそうですね。

安定していたレーシングポイント

レーシングポイントの2台は4位と5位でフィニッシュ、チームとして1レースで22ポイント稼いでみせたのは今季ベスト。追い抜きが難しいとされるこのサーキットで、予選で上位を獲得した優位性を守って堅実なレースをした感じ。復帰したペレスが青旗無視の5秒ペナを食らったのはご愛敬ですが、それでもチームとしての獲得ポイントが変わらなかったのでまあヨシでしょう。

トロールも今回良いレースしてましたね。ただ、レーシングポイントとしては2台とも1ストップでいく予定が、ストロールは途中で2ストップに切り替えたっぽいところを見ると、タイヤマネジメントはまだまだペレスに分があるようで。

しかしこれでレーシングポイントはマクラーレンフェラーリを差し置いてコンストラクターズランキング3位に躍り出たワケで、ランキング争いが白熱すると同時にブレーキダクト問題が今後どう決着するのかもビミョーに気になるところではあります。そういや、来年から他チームのマシンにあんまりそっくりにするのを禁じる方向でFIAが動いている、なんて記事も見かけましたけど、そういう意味ではレーシングポイントはちょっと成功し過ぎちゃったのかもしれません。

FIA、2021年の技術規則を修正へ。F1マシンのデザイン複製を大幅に制限する計画 | F1 | autosport web

フェラーリのギャグが気合い入りすぎている件

フェラーリルクレールのリタイヤが悔やまれるところですが、ルクレールはマシンが止まったときに一度シートベルトを外してしまっており、その後再始動できたので走り始めたものの、「シートベルトしてないのマズいよね?」ってコトでピットに戻って再装着しようとしたものの、時間が掛かってしまったためそのままリタイヤ、ってコトになったみたいですね。ピットでガチャガチャやってたのはシートベルト付け直そうとしてたのか……。

Leclerc had ‘good chance’ of P6 before hitting electrical issue and undoing belts | Formula 1®

上記記事にあるルクレールの車載映像を見るとちょっと面白くて、スピンしたのがピット入り口のすぐ手前だったのに再始動後ルクレールはなぜかピットに入らず、ストレートに入ったところでスローダウンしつつ「この周でピット入るわ」と無線で連絡。それに対しチームが「マシンには問題無いぞ」と返答してルクレールはレーシングスピードに戻して1周したものの、またストレートに入ったところで「ピットに入る必要がある」とシートベルトの件をピットに連絡。そしてようやくピットに入りシートベルトをなんとかしようとしたものの手間取り、順位もぶっちぎりの最後尾に落ちていたもんだからリタイヤした、と。いやはや。

F1マシンにも、市販車みたいにシートベルトが正しく装着されていない状態で走り始めるとピーピー鳴るヤツ付けた方が良いのかもしれません(?)。

チームから放置気味にされた挙げ句、今履いてるソフトで最後まで走るって言うのはどうだい?みたいに言われてキレ気味だったベッテルといいこのルクレールといい、スクーデリア・フェラーリ吉本新喜劇にでもなったつもりなんでしょうか。いやベッテルはチームに振り回されただけだし、ルクレールも元はと言えばマシントラブルが原因でスピンしたんだから、二人とも被害者なんですけども。しかし、そこからタイヤを最後まで持たせてポイントゲットしてみせたベッテルは久しぶりに光るところを見せましたね。しかし、そういうドライバーの綱渡りにすがることでしかポイントゲットできないのが今のフェラーリなんですよねえ……。ていうかストラテジスト仕事してるんですかこのチームは。