大須は萌えているか?

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AirPods Maxを買ってしまったので、軽く使ってみた感想

先日、ついうっかりAirPods Maxを購入してしまいました。

いや最初コレが発表されたときには買うつもり無かったんです。私もご多分に漏れず、「SONYのWH–1000XM4(評判の良いノイキャン機能付きワイヤレスヘッドホン)よりさらに3万円くらい高いのかよ、誰が買うんだププー」って思ったクチなので。ただ、Appleがどういう狙いでこんなクソ高いヘッドホンを出したのかは興味があったので、発売日前後にアレコレとレビューを眺めていたら、なんか賛否両論入り乱れてて実際のところどうなんだ、っていうのが気になってきちゃって、気がついたら注文を入れてしまっておりました。

発売日後にWEBのApple Storeに注文を入れたら、当初のお届け予定日が3月下旬というぶっ飛んだ状態でした。どんだけ品薄やねん。生産数が上げられない事情があるのか、はたまたAppleの想定以上に注文が集まってしまったのか。ただ、そのあと「8〜10週間後に届けられるで」っていうメールが来たもんだから2月下旬くらいに届くのかな、と思っていたんですが、1月21日くらいに「発送したで」という連絡が来て翌日手元に届きました。結局、注文してから1ヶ月で届いたコトになります。生産ペースが上がったのか、はたまた発売後の悪い評判を聞いてキャンセルした人が続出したんでしょうか。

色はスカイブルー。今自分が使っているApple製品はMacBook ProiPad Proがスペースグレイ、iPhone 11 Proがミッドナイトグリーン、iPad Airがグリーン、そして今回はブルーというバラバラぶりですが、これはなんとなく色を揃えるよりバラバラにしてみた方が面白いかなーという適当な理由によるものです。

AirPods Maxのレビューをあれこれ読んで、だいたいの評判を取りまとめると

  • 音は良い
  • 着け心地も良い(ただ重い)
  • 空間オーディオすごい
  • 値段が高い
  • ていうか値段が高い
  • マジで値段が高い

みたいな感じじゃないかと思います。つまり、性能は良いんだけど、他メーカーで似たような性能の商品が3〜4万円台で売られていることを考えたら高すぎるよね、っていう話になるワケです。

また、空間オーディオの対応や、複数のAppleバイス間でシームレスに接続を切り替えられるのは他メーカーには無いメリットですが、これも3万円弱で買えるAirPods Proでも同じコトはできるワケですね。じゃあMax買う必要ないじゃん、という話になってしまう。んで、実際に10日間くらい使ってみて感じたのは、これらの評判はだいたい間違ってねえなと。いや、確かにAirPods Proよりもパワーアップしているんですけど、Proの2倍以上の金額に見合うだけのパワーアップぶりかと言われると「それは無い」って思いますし。ただ、イヤホンとヘッドホンの違いから来る音の響き方の違いや使い勝手の違いもあって、そこに強くメリットを感じるなら買っても良いのかなーって感じ。

音・ノイキャン・外音取り込みについて

まずMaxの音なんですけど、AirPods Proの正常進化版という評判の通りですね。余分な味付けはしない音。ただ、やっぱりProより解像感は上がっているし、低音や高音も良く出るようになっていると思います。レビューの中にはProと大して音が変わらん、みたいなコト書いている人も見かけますが、それは聴く音楽にもよるのかなーって気がしますね。イヤホンに対するヘッドホンのアドバンテージって空間とか空気感の表現力が増すところが大きいと思うので、オーケストラとかライブテイクみたいな音源を聴くと段違いに良く聞こえます。手持ちの曲だと、大河ドラマ麒麟がくる』のメインテーマなんかは迫力がグッと増して非常に良い感じ。あとはやはり『ガールズ&パンツァー』のサントラも素晴らしいと言わざるを得ません。劇場版のサントラに入っている『パンツァー・リート』を聴きながらウォーキングするとご機嫌過ぎてヤバイです。

あとアナログレコード時代の古い音楽を聴くと、これはこれで何故か良い感じに聞こえるコトが多い印象を持ちます。音質そのものが良くなっているワケではないのだけど、そこにある空気感というか雰囲気が伝わってくるというか。これもイヤホンに対するヘッドホンのアドバンテージなのかも知れないし、総じてMaxの方が音の透明感が高いのでその影響もあるのかもしれない。いやまあ、個人の感想なんですけどね。

ノイキャンや外音取り込みの性能については、Proと大差無いかなっていう印象。そもそもProのノイキャン・外音取り込みが高性能なので、Maxがダメっていう意味ではありません。ただ、MaxはProよりさらにスゴイと思って買ったりするとガッカリすると思います。SONYBOSEの3〜4万円台のヘッドホンは使ったコトないので比較はできないんですけど、他人のレビューを見ていると人によって評価がバラバラな印象がありますね。結局は好みの問題もありそうなので、気になる人は実機で聴き比べてみるしかないかも……。

個人的にはAirPods Pro・Maxのノイキャン・外音取り込み性能に不満はなく、中でも外音取り込みの性能の高さは気に入っているところ。ホントに自然に外部の音が聞こえてくるのでウォーキングするときに着けてても違和感が無いし、普通に会話もできるので。

着け心地について

個人的に、ここもMaxが気になったポイントです。少し前にSONYの1万円くらいのヘッドホンを買ったときにも書いたんですが、ヘッドホンしていると汗蒸れが気になるんですよね。その点、Maxはイヤーパッドが蒸れにくいっていう評判を見かけたので。んで、使ってみると確かに蒸れにくいように感じます。というのは、Maxのイヤーパッドってかなり大きくて、ホントに耳全体をすっぽり覆っちゃうような感じなんですよね。これによってちょっと空間的な余裕が生じ、しばらく着けっぱなしにしていても蒸れにくいし、耳が痛くなってきたるするコトもない。イヤーパッドの素材も関係しているのかな。

もちろんまったく蒸れないワケではないので、何時間でも着けていられる……とは言えませんが、従来のヘッドホンに比べると非常に良いデザインだと思います。あと、イヤーパッドが簡単に交換できるの良いですね。昔、貰い物でBOSEの有線式ヘッドホンを使っていたコトあったんですけど、イヤーパッドがボロボロになってきちゃって捨てた記憶があるので。これが簡単に交換できるなら、モノとして長く使えそうかなと。あと気になるとしたらバッテリーの寿命がどの程度かってところですが、これもお金出せば交換はしてもらえるみたいだし(AppleCare+ for Headphonesに加入していれば無償交換できるけど、自分の使用頻度で2年のうちにバッテリー容量が8割以下までヘタるとは思えない)。

あと問題になるのがMaxの重さですが、体感レベルでハッキリ重いです。ヘッドバンドの構造で重さを感じにくくはなってますが、一般的なヘッドホンに比べると明らかに自己主張の激しい重さ。ウォーキングのお供に持ち出したりもしてますが、あんまり長時間歩きたいとは思わないな……。その辺は、前に買ったSONYのWH-CH710Nとの使いわけかなと思ってます。

空間オーディオについて

AirPods Maxの一番の狙いはここなんじゃないかと思うんですよね。空間オーディオ対応はProもしているんですけど、やはり空間の表現はヘッドホンの方が断然有利だし、実際Maxのほうが迫力が段違い。さすがに本物の5.1chや7.1chのサラウンドスピーカーを組んだ環境には劣ると思いますが、私の部屋のようにそんなものを組む物理的なスペースが無い!という身にとっては非常に有難い機能。外音取り込みをONにした状態でこの空間オーディオの音を聴いていると、iPadに超リッチなスピーカーがくっついたみたいな感覚になります。

問題は今のところ対応しているハードがiPadiPhoneのみで、また配信プラットフォームも限られているという点。現状、Apple TV+以外にはHuluとDisney+なんかが対応しているようですが、NetflixやPrimeビデオも対応してほしいところ。Netflixは対応準備を進めているっていう話も出ているので期待。

あとはこれiPadiPhoneだけじゃなく、テレビでも使えるようにしてくれよって話なんですが。そのうち、Apple TV 4Kとかで対応したりするのかな。その辺の環境が整ってくると、AirPods Maxの商品価値は上がってくる気がします。逆に言うと、この空間オーディオの機能に魅力を感じないのであれば、Maxを買う価値はかなり失われる気がします。Maxの値段の2万円分くらいはこの空間オーディオ代だと思って良いんじゃないかな……。

そのほか

少し前にAirPods Maxのイヤーカップ内側が結露したって話も出てましたが、室内で使用している限りで結露しちゃうのはレアケースじゃないですかねえ。少なくとも私はありません。ただ、ウォーキングに持ち出して寒い屋外でしばらく歩いたあとに暖房の効いた室内に戻ったら、外側が結露したことはありましたね。なんせイヤーカップが金属製なので、冬の外気に触れるとキンキンに冷やされるので当たり前っちゃ当たり前ですが……。まあ外側が結露する分にはすぐに拭いてやれば実害は無いと思いますが、そもそも普通にプラ製のイヤーカップにすれば重量も軽くなるし結露の心配もいらないやん……という気がしないでもないです。

てか、そのうち軽量・コストダウン版のAirPods Maxが出るんじゃないかな……?

iFixitの分解レポートによると、内部の凝り方が尋常ではなく他のヘッドホンが玩具に見えるとまで言わしめたようなので、Appleのエンジニアが新しい切り口のデバイスとして張り切りすぎた商品なのかもしれません。ヘッドホンというよりは耳に付けるコンピュータなのであり、コンピュータなんだからMaciPadのように外装を金属にするのは当然だ、みたいな。そうした変態性(?)を好ましく感じ、また空間オーディオの将来性にも魅力を感じることができるならばAirPods Maxは買いだと思います。単に性能の良いノイズキャンセリングヘッドホンが欲しいだけなら、たぶん買わない方が良いです。

あ、あと操作系が非常にわかりやすいのは好感。ボタンが2つしか無いので非常にシンプルだし、手袋をしている時でも操作しやすい。電源ボタンが無いのも個人的には気にならないですね。SONYのヘッドホン、たまに電源切り忘れてバッテリー切れてたことあるし。それよりも、聴かずに放置してあれば勝手に省電力になり、また頭に装着すればすぐに聴けるっていうほうが良い。

部屋の中ではあのブラジャーみたいなケースに入れずにそのままヘッドホンスタンドに掛けてることが多いですね。そのほうが、使いたいときにぱっと頭に着けるだけなので。AirPods Proよりもさらに少ない手数で使えるのもMaxの良いところ。これからもうちょっと使い込んでみて、思うところなどあればまたブログのネタにしたいと思います。最近、音楽のストリーミングサービスをAmazon Music UnlimitedからApple Musicに乗り換えようと考えてたりもするので、その辺の話も改めて書きたいかなと。