大須は萌えているか?

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F1[22] カナダGP 決勝

予選見てたらフェルスタッペンの余裕勝ちかなー、と思っていたんですが、思いの外熱い展開になりましたね。そんなワケで、F1カナダGP決勝のお話。

勝てそうで勝てないサインツ

今回、サインツにとっては勝てるチャンスが十分にあるレースでしたね。レースを通しての速さは十分にありましたし、終盤にファステストラップも記録しているし。それでも勝てないのがサインツなんですが。サインツにとってはこれがキャリア11回めの表彰台、勝利無しでの最多表彰台記録を持つニック・ハイドフェルドの記録まであと2つとなりました……が、この記録を更新するまでに勝てるのかどうなのか。

ただ、サインツ自身全力を出し切ってミス無く走りきれたコトもあってか、わりと満足げな表情もしてますね。今季はルクレールに対して苦しんでいる印象も強かったサインツだけに、この2位表彰台は得るものが大きかったのかもしれません。フェルスタッペンとバチバチにやりあった結果の僅差の2位だったので、本人にとっては自信にもなったでしょうし。

フェルスタッペンとサインツはどちらもミディアム→ハード→ハードとタイヤを交換しましたが、序盤9周目にVSCが出るや早々にタイヤを換えたフェルスタッペンに対し、サインツは20周目まで引っ張っていた格好。レース前にピレリが予測していた最速の戦略は1ストップだっただけに、これサインツは1ストップ狙いなのかな……と思ったものの、角田がピット出口でクラッシュしてセーフティカーが出たタイミングでサインツが2度目のタイヤ交換。フェルスタッペンは43周目にタイヤ交換済みだったことを考えると、サインツも交換せざるを得なかったというのは間違いないところ(そうでないと、23周分も若いタイヤを履いているフェルスタッペンが真後ろにいる状態でレース再開となってしまう)。

もしこのセーフティカーが入ってなかった場合、フェラーリサインツをそのまま走らせ続けていたのかどうなのか、っていうのはちょっと気になるところですが、その場合でもフェルスタッペンが終盤にサインツを捕まえていたんじゃないかという気がしないでもありません。

しかし、終盤の2台のバトルはお互いミスらしいミスも無く、ずっと接近戦を演じ続けるという見ごたえのあるものでしたねえ。あれだけプレッシャーを掛けられ続けてもまったく動じなかったフェルスタッペンもさすが。しかも無線にトラブルがあって、フェルスタッペンの声はピットからは聞こえなかったようですが、そんな問題もまったく悟らせないくらい落ち着いてましたね。ルクレールが挽回したとはいえ5位に終わり、ペレスはギヤボックストラブルでリタイヤしたコトを考えると、フェルスタッペンの立場はますます盤石なものになりつつありますが……。まあレッドブルは相変わらずトラブルが起きやすいようではあるので、今後フェルスタッペンのマシンにどれくらいトラブルが発生するかによってチャンピオンシップの流れは変わってくるような気もします。

ただまー、フェラーリにとっても今回のレースペースは希望が持てるものだったでしょうし、もう一度実力で流れを手繰り寄せるコトが出来れば……。

ハミルトン久しぶりの表彰台

メルセデスは3–4フィニッシュを飾り、今回はハミルトンが開幕戦以来の久しぶりの表彰台。3位表彰台であれだけの笑顔を見せるハミルトンってなんだか貴重(?)。ていうか、決勝でラッセルの前でフィニッシュしたのも開幕戦以来になりますかね?そりゃあ嬉しいか。マシンの抜本的な改善は見られないままの状態ですが、なんやかんや「3番めのチーム」としての地位をガッチリ固めてはいますよね。

一方でフロントロウスタートだったアロンソはタイムペナルティもあって9位に沈んでしまいましたが、どうもトラブルがあってペースを落とさざるを得ない状況でもあったようですね。VSCのタイミングでピットに入りそこね、そのままピットインのタイミングを逸してしまっていたのもポジションを失う要因でした。オコンが6位に食い込んだものの、チームとして今季はまだトップ5以内でのフィニッシュが1回もない状態。メルセデスと比べると、まだどうも物足りない感じですね。マシンのセットアップという部分では、メルセデスのほうがすんげー手こずっている印象があるものの、それでもやはり地力の高さはメルセデスがかなり上を行っているというコトなんでしょう。

そういう意味ではアルピーヌの直接的なライバルはマクラーレンってコトになるんでしょうけど、まだコンストラクターズではマクラーレンのほうが上なんですよね。マクラーレンも今季かなり苦戦している印象なので意外といえば意外なんですが、今回のレースを足がかりにアルピーヌが調子を上げてくるのかどうか。

そのほか

予選で絶好調だったハースですが、決勝は無残でしたね……。ミックのPUトラブルは如何ともし難い感じですが、マグヌッセンのフロントウイング破損はちょっといただけない。レース後のコメントでマグヌッセンはオレンジボールを出されてフロントウイング交換を強いられたコトに対して不満を言っていますが、マシンの走行に問題があったかどうか以前に、壊れた翼端板をブラブラさせたまま走り続けたらどこかでそれが脱落して、後続のマシンに影響を与えてしまいかねないコトを考えると仕方ないだろ、っていう気がします。

We were forced to pit with the damage we had but it was nothing. The car was perfect to drive, there was no effect on the car. This is normal, you’ve got to be able to finish the race with some scratches on your car.

via: Kevin Magnussen : What the teams said – Race day at the 2022 Canadian Grand Prix | Formula 1®

これでハースはイモラ以降5戦連続ノーポイントという結果になりましたが、シーズン序盤の印象的な速さを思うと今やコンストラクターズ9位になってしまったというのはちょっとビックリ。果たしてミックが入賞できるのはいつになるのか……。

アルファタウリはどうにもレースペースがありませんでしたね。角田はそれでも奮闘していましたが、ハードタイヤで引っ張っていった結果最後にはペースが落ちてDRSトレインから引き離されてしまい、ピットに入ってタイヤを交換したと思ったらピット出口でミスってしまいクラッシュ。もちろん角田自身のミスなんでしょうけど、なんとか挽回していこうと気持ちが入りすぎた結果なのかな、っていう感じがします。最後尾からのレースだったことを考えると内容的には悪くなかったんじゃないかとも思いますが、次はなんとか結果に繋げてほしいところ。

今回アルファロメオは開幕戦以来のダブル入賞。周冠宇は自己ベストの8位フィニッシュと、ようやく結果を残せた感じ。しかし、チームとしてはボタスが極めて安定してポイントを稼いでいるので、コンストラクターズとしてはアルピーヌに6ポイント差という位置にいるんですよね。もしこれで周冠宇が安定してポイントを稼ぐようになったりすると、コンストラクターズ中団争いがさらに混戦になるのかも。アルファタウリもなんとかそこに絡んでいって欲しいものですが、どうも結果が安定しないよな……。