大須は萌えているか?

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F1[21] フランスGP 決勝

メルセデスレッドブルのガチンコ対決を期待していたのは確かですが、想像以上のガチンコぶりに大いにテンションの上がるレースでした。やっぱり異なるチーム同士のバトルは良いものですねえ。フランスGP決勝。

スペインのリベンジ

フェルスタッペンがポールから順当なスタートを切ったかと思えばコースオフしてハミルトンにトップを明け渡し、ハミルトンが順調に逃げていくのかと思えばフェルスタッペンが驚異的なアンダーカットで再びトップを奪い、その後ハミルトンがどこまで追いすがるのかと思えばフェルスタッペンが2度目のピットに動き、ハミルトンなんとか逃げ切れるのかと思いきや最後にフェルスタッペンがハミルトンを捕まえるという、なんだかもうホントに目が離せないトップ争いでした。こんなに緊張感が長く続いたレースは久しぶりな気がしますね。

スペインGPではハミルトンが2ストップを敢行して1ストップのフェルスタッペンを追い詰めて勝利しましたが、今回はその逆パターン。しかし、スペインのハミルトンは実質的にフリーストップだったのに対し、今回のフェルスタッペンは後ろに下がったあとボタスとハミルトンの2人ともを抜かねばならなかったコトを考えると、今回のフェルスタッペンはまったくお見事としか言いようがありません。ここでボタスがフェルスタッペンに対する防波堤の役割をもう少し果たせていたら勝負の行方はまた違うモノになっていたのかもしれませんが、ほとんど抵抗できなかったですねえ。

一方で、メルセデスはペレスの存在が気になって2ストップに踏み切れなかった(ペレスは上位陣では一番タイヤ交換を引っ張ってオフセットを作っていたし、レッドブルはストレートが速かったのでオーバーテイクできる確信が持てなかった)ゆえに1ストップのままステイアウトという選択を取らざるを得ず、そういう意味ではボタスとペレスの2人がハミルトン vs フェルスタッペンの勝負の鍵になったとも言えそう。少し間は空いていたものの、メルセデスの後ろにペレスが居たというのがスペインとの最大の違いでしたし、それが勝負を大きく分けたって感じでしたね。

レッドブルの直線スピードが速かったというのもメルセデスが動けなかった一因であると考えると、軽めのウイングをチョイスしたセットアップだったりホンダPUのパワーだったりも勝利に貢献したと言えるでしょうし、レッドブルのチーム全体で掴み取った勝利って感じですね。レース後半、風が弱まったというのもレッドブルに味方しました。

ただ、ハミルトンにしてみれば金曜日から出遅れていた週末を2位フィニッシュで終えたのは悪くはない結果でしょうし、終盤タイヤが悪いなりに巧みなペースマネージメントしてましたしね、全部が全部悪いレースでは無かったでしょうし、レース後なんかスッキリした表情していたのもそういう心情の表れでしょう。

ボタスは無線でチーム戦略に文句言ったりしてましたが、その挙げ句に表彰台を失ったんだからストレスの溜まるレースだったでしょうね。まあチームにしてみればボタスを防波堤にしたいのが見え見えだったので、入れるワケには行かなかったんでしょうけど。トト・ウォルフもボタスを擁護しながらも、「1ストップがベターな選択だったと思うよ」とボタスの不満を退けてる模様。

Wolff welcomes Bottas’ feistiness over Mercedes F1 team radio

フェラーリがダメすぎた

決勝に強いマクラーレンに対してレースペースが課題となっているフェラーリですが、今回は輪を掛けてヒドかったですねえ。両ドライバーともタイヤの劣化がヒドすぎたとコメントしており、まともにレースできる状態では無かったようです。あまりにヒドいので少しでも状況を理解するためにルクレールは2ストップに切り替えたようですが、それでもあっという間にタイヤが劣化してしまったと。

“We tried a second stop at one point just to see if we could understand something more [by] going on the medium again, but there was no way to do anything better managing those tyres. We were just degrading them very, very quickly.”

via: ‘We went backwards’ – Sainz and Leclerc shocked by lack of pace as Ferrari fail to score in France | Formula 1®

サインツは「金曜日は大丈夫に見えた」と言ってますが、決勝では状況が一変してしまったと。今回は特にタイヤに苦しむドライバーが多かった印象のレースではありますが、フェラーリはちょっと極端過ぎますね。予選一発の速さを手に入れた代わりに失っているものが大きすぎる。レース前半は風がそこそこ強かったのもあるのかも……と思いつつも、後半にタイヤを履き替えたルクレールがまたあっという間にタイムを落としているところを見ると、なんかそういう問題でも無いようです。

5番手と7番手からスタートしたハズなのに、結果的に2台ともノーポイントで終わってしまったのは痛恨でしたね。ライバルのマクラーレンはコンスタントなラップを重ねて5−6位でフィニッシュしているだけになおさら。今回のマクラーレンはリカルドが比較的調子が良かったのもポジティブでしたね。本人も満足げなコメントしてますし。

Daniel Ricciardo relishes ‘fun’ run to sixth in France, as McLaren car ‘starts to feel more like home’ | Formula 1®

フェラーリにしてみればレースペースのテコ入れが急務だと思いますが、でも来年用のマシン開発にリソース振り向けちゃってるんだろうし、根本的なテコ入れは無理なのかな……。このフランスの状況が特殊なものであれば良いんでしょうけどね、しかしルクレールでもどうにもならないレベルとなるとちょっと……。

そのほか

なにげにアストンマーティンがダブル入賞してるのスゴい。ストロールなんて予選で赤旗の煽りを食って最後列スタートだったのに……。2台ともハードタイヤでスタートするリバースストラテジーを取っていましたが、アストンマーティンはこの手の「ライバルの逆をいく」作戦がハマるパターン多いですねえ。一発の速さは無いけど、ロングスティントをコンスタントに速く走れるんだよな、このクルマ……。

アルピーヌはアロンソが連続ポイントゲット。序盤はオコンに対して出遅れが目立っていたアロンソですが、ここ2戦でオコンを予選・決勝で上回ってきてますね。アルピーヌもタイヤのデグラデーションにはかなり苦しんでいたようで、ミディアムタイヤではそんなに長いコトもたせられなかった模様。アロンソはミディアムスタート、オコンはハードスタートという形で戦略を分けていましたが、後半にハードを履いたアロンソのがタイヤをうまくマネジメントできていたみたいですね。これはコースコンディションも味方したでしょうか。

中団勢は予選に強いクルマ・決勝に強いクルマという形でけっこうキレイに色分けされている感がありますね。ただ、その中でマクラーレンのノリスとアルファタウリのガスリーはコンスタントにQ3に進出しつつ決勝でも確実にポイントを持って帰っているという点では突出した存在(ホントはルクレールもそうなんだけど、今回は悪すぎた)。そう考えるとアルファタウリのマシンも中団勢においてはかなり優秀なマシンであるハズで、それを思うと角田は予選もっと頑張れ……!と思わずにはいられません。