大須は萌えているか?

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F1[22] カナダGP 予選

土曜日は雨となったようですが、難しいコンディションに加えてPUペナルティなんかも絡んで、ちょっといつもとは違う並びの予選になった感じですね。決勝はドライみたいなので、この予選順位がどう影響するのかも気になるところですが……そんなワケで、F1カナダGP予選のお話。

アロンソ大奮戦

ルクレールがPU交換によるペナルティを喰らうこともあり、フェルスタッペンが順当にポール獲得。今季はルクレールが予選番長なコトもあり、フェルスタッペン自身はこれが今季2度めのポール。今年だけですでに5勝しているコトを考えると、かなり意外な数字ではありますが。

今回はペレスがQ2で姿を消していたコトもあって、フェルスタッペンのポールは特に意外性のないものではあったんですが、2番手にアロンソが飛び込んできたのは驚きでした。まあ、金曜日から調子がよく、予選前のFP3でもトップタイムを記録しているくらいなので、予選でもそれなりのポジションには来るんだろうな、とは思っていましたが、まさかフロントロウに並んでくるとは。

F1公式サイトの記事によると、40歳を超えるドライバーがフロントロウに並ぶのは2012年中国GPのミハエル・シューマッハ(当時43歳)以来になるみたいですね。ミハエルは同じ年のモナコGPでは予選トップタイムを記録していますが、グリッドダウンペナルティがあったため残念ながらフロントロウスタートでは無かったんですよね。

The Spaniard is the oldest driver on the front row since 43-year-old Michael Schumacher in China in 2012.

via: FACTS AND STATS: Alonso grabs his first front row start in a decade | Formula 1®

まあしかし、当時のミハエルはチームメイトのロズベルグに対してはどうしてもパフォーマンス的には劣っていた印象ですが、今のアロンソってオコンに対して見劣りしていない、ていうかここ数戦のパフォーマンスを見ているとオコンを明らかにしのいでいるんだから大したものです。

グリッド上のインタビューでも、決勝スタート後の1コーナーではフェルスタッペンに勝負を挑む、みたいなコメントをしてスタンドを沸かせていましたが、こういう振る舞いも含めてさすがアロンソという感じ。数日前に出ていたインタビュー記事で、アロンソが「インディ500への興味は薄れてきている」みたいなコメントをしてましたが、それだけ今はF1に対するモチベーションが高いんでしょうね。

インディ500再挑戦は「目標として薄れてきている」とアロンソ。現在はF1に完全集中 | F1 | autosport web

現状のアルピーヌだとなかなか勝利までは手が届かない戦闘力しかないだけに、アロンソのモチベーションがいつまでもつのやら……と個人的にはやや懐疑的な見方をしていたんですが、なんかこの予選の走りを見ているとやる気満々といった感じ。まあ、なんだかんだ言ってF1が大好きなんでしょうねこの人。

決勝ではさすがに2位をキープするのは難しいんじゃないかと思いますが、どれくらいの上位でフィニッシュできるのかっていうのは気になりますね。メルセデスが直接的なライバルになるんじゃないかと思いますが、あとは後方に沈んでいるペレスやルクレールがどれくらい追い上げてくるか。

メルセデスの調子は上がっていくか?

今回はハミルトンが気を吐いて4番手。もちろん今季ベストグリッド。なんか本人のコメント見るとめちゃくちゃ嬉しそうですよね。7度のワールドチャンピオンが4番手グリッドでここまで喜ぶのかっていう。

Honestly, I feel amazing, so happy! P4! P4 has never felt so good to be honest. Maybe when I was like in my first year of racing, my first year here in 2007 when I got my first P4 in quali, it felt great then.

via: Lewis Hamilton : What the teams said – Qualifying at the 2022 Canadian Grand Prix | Formula 1®

今回ラッセルが最後にドライタイヤでアタックするというギャンブルを試みて失敗したというのもハミルトンにとってはラッキーだったと言えるかもしれませんが、ともあれ4戦ぶりにラッセルに予選で勝ちました。ラッセルのチャレンジは無茶だろうなーとは思いましたが、しかしリスクを取って上を狙っていく姿勢は若いレーサーなら持ってて当たり前だよな、とも思います。そういう意味では、ベテランと若手のコンビってバランス取れてて良いですよね。

そういや、カナダGP前にFIAがポーパシング問題に対して介入する姿勢を示した、っていう話も出ていましたね。

FIAがポーパシング軽減のための対策導入を決定。F1ドライバーの安全&健康に強い懸念 | F1 | autosport web

この記事を読んだ感じだと、今すぐなにかを規制するとかそういう話ではなくて、「これから詳細にポーパシングの発生状況について調査して、その許容レベルについての基準を定めていくつもりだから各チームとも協力ヨロ」という話なのかなと思います。ただこれ、もし基準以上の上下動が発生している場合はそれが基準値以内に収まるようにセットアップを変更しなくてはならない、っていう話になるんだとしたら、これメルセデスにとってはむしろマイナスになる可能性があるってコトですよね。レッドブルのように元々バウンシングが発生しづらいマシンはセットアップへの影響が最小限になる一方で、メルセデスなんかはかなり妥協したセットアップに変更せざるを得なくなるということになると思われるので。

ドライバーを保護する観点からすると歓迎すべきものなんでしょうが、その分パフォーマンスがさらに悪化してしまうとなるとハミルトンにとっては悩ましいところなのかもしれません。ていうか、それぞれのサーキットでどれくらいバウンシングが発生するかってチーム自身も事前に予期しきれない部分が多いでしょうし、それにそのときの天候や風向き等によっても変化はあるであろうと考えると、規制するとしても不公平無くきっちりとした規制ができるのか、という疑問もあります。FIAとしても恐らくまだどういう風に運用していくかっていうところまでは煮詰められていないんじゃないかと思いますが、とりあえず規制に乗り出していくことを宣言することで今のうちに各チームが積極的にバウンシングを潰すための対策を急ぐようプレッシャーを掛けているようにも見えます。

メルセデスほどパフォーマンスには影響が出ていませんが、フェラーリもストレートではそれなりにポーパシングが発生している感じなので、もしこれが規制される方向になっていくとますますレッドブルが一人勝ちになっていくような気がしないでもありません。

そのほか

FP3で調子の良かったドライバー、という観点からいうとトップタイムを記録していたアロンソ以外にも2番手タイムだったガスリー、それから3番手タイムだったベッテルも注目だったんですけど、2人とも予選ではなぜかQ1敗退で終わってしまったという不思議。ガスリーはブレーキにトラブルがあったようですが、どうも今季のガスリーはマシンの不調に足を引っ張られがち。アルファタウリのパフォーマンス自体は悪くないんだと思うので、PU交換で最後尾スタートの角田ともどもどこまで追い上げられるか気になるところ。

今回はハースの2台が3列目に並ぶ格好となり、ここ最近良いところが無かったチームにとっては大チャンスとなりそう。ミックは2度目のQ3進出・自己ベストのグリッドからのスタートということで今度こそポイントを獲得したいところですが、どうもミックは肝心なときにやらかす傾向があるような気もするのでどうなるか。ギュンター・シュタイナーは予選結果に浮かれる風でも無く、「まず完走することが必要だ、少なくとも1台は」みたいなコメントしてますね。

“First of all, we need to finish because we didn’t do that in the last races, at least with one car,” said Steiner. “So we need to finish and then we just need to try and keep the positions, or even better, if something happens in front of us. But first of all if we can just hold these positions, I would be more than happy tomorrow at this time.”

via: ‘I love these conditions’ says Magnussen, after Haas lock out third row in Montreal | Formula 1®

とにかくそのままの順位で帰ってきてくれ、レース中変なことやらかすんじゃねえぞ!という思いがヒシヒシ伝わってまいります(?)。ただまードライになる決勝のレースペースはまったく別物になる可能性もありますしねえ……。

あと、周冠宇が初のQ3進出、それもボタスを上回ってきたというのはお見事でした。ここんとこ、速さは見せつけてきてますよね。ポイントは開幕戦以来取れていないので、なんとかトップ10フィニッシュに持っていきたいところでしょうがどうなるか。

カナダGPは荒れたりすることもありますが、今回はどうなりますか。初優勝者が多く生まれているサーキット、という意味ではサインツにも注目したいところですが、まあフェルスタッペンがトラブルに見舞われたりすればあるいは……。