鈴鹿サーキットのレース観戦から帰ってきてからのF1だったので、正直録画してリアルタイム視聴は止めておこうかな……と思いつつ、スタートからちょっとだけ見ようと思ったらなんか天候に翻弄される愉快な展開になったため、ついそのまま見てしまいました。ただ、レース終盤になって大雨による赤旗中断の時点で寝てしまいましたけど。
そんなワケで、F1オランダGP決勝のお話。
- 決勝結果： FORMULA 1 HEINEKEN DUTCH GRAND PRIX 2023 - RACE RESULT
- 決勝ダイジェスト： 2023 Dutch Grand Prix race report and highlights: Verstappen overcomes wet-weather chaos to make it a hat-trick of Dutch GP wins and equal Vettel’s victory record | Formula 1®
- 決勝後各チームコメント： What the teams said – Race day at the 2023 Dutch Grand Prix | Formula 1®
- 決勝後記者会見： F1 - 2023 DUTCH GRAND PRIX - POST-RACE PRESS CONFERENCE TRANSCRIPT | Federation Internationale de l'Automobile
初っ端の雨への反応がポイントだった
レース開始前は一応ドライコンディションだったものの、レースが始まってすぐに雨が降り始め、そしてその雨に対する反応がチームによってまちまちになるというちょっと珍しい展開になりましたね。結果的には1周目の終わりにすぐタイヤ交換をしたのが正解で、そのあとすぐにインターミディエイトのタイムがソフトのタイムを上回る形に。それでもまだ2周めにピットに入ることができていれば傷は浅かったんですが、それ以上はもうどうにもならない感じに。
それでも雨はすぐに止む、という予報だったので、それを信じてピットに入らずドライタイヤで走り続けるという選択をするドライバーも何人か居ましたが、タイム的には大きくロスする格好に。ただ、一番悲惨だったのは中途半端に走ったあとにピットに入ったドライバーで、3周目以降にピットインしたメルセデスの2人とノリス、ストロールあたりですね。彼らはタイヤ交換した時点でほぼ最後尾まで転落することになってしまいました。
1周目の終わりに真っ先にタイヤを換えたペレス、周冠宇、ガスリーらが序盤のトップ3を形成し、同じくすぐに動いた角田やローソンも大きくポジションアップ。コース幅が狭いところが多く、抜きづらいコースでこのような順位の大きなシャッフルがあったため、なかなか見ごたえのある展開になりましたね。2周目にピットインしたフェルスタッペンは一時的に順位を下げる形になりましたが、しかしまあこの人にはハンデにもなりませんでした。
最終的にトップ5でチェッカーを受けたドライバーが皆1〜2周目にタイヤを換えた面々だったワケですが、一方で一度は後方に沈んだハミルトンとノリスが6位と7位でチェッカーを受けているというのも面白いところ。ノリスは予選から速さを見せていましたが、ハミルトンは予選で失敗してQ2ノックアウト、そして決勝では一人だけミディアムスタートでしかもタイヤ交換のタイミングも最悪という、もうどう考えてもダメすぎるレース展開でしたが、その後の絵リカバリーがお見事でした。これ、最初からもっといい流れで来ていたら、どれくらいの順位でいけただろう……と考えてしまいますが。
角田のタイヤ戦略はどうだったか
角田もポイント圏内まで順位を上げたもんだから、どこまでこの順位を守れるかハラハラしながら見ていたんですが、アルファタウリが採った戦略は2セット目のソフトタイヤで最後まで走りきらせる、というもの。一応、事前に角田とチームで話し合って、お互い納得済みの話ではあったみたいなんですが。結果論としてはこれ失敗だったワケですが、これどうなんですかね、ノリスとかハミルトンとかに合わせこんでタイヤを交換していたほうが良かったか、というとそれはそれでどうだったかなあ、という気もします。
そもそもアルファタウリは展開のアヤでポイント圏内まで上がっていたものの、メルセデスやマクラーレン、ウィリアムズといったところに比べるとレースペースは劣っていたでしょうし、おんなじ作戦で戦っていても結局は抜かれていたのでは、という気もしちゃうんですよね。だったら、ギャンブル的な作戦のほうが可能性はあるかもしれない、という。またセーフティカーが出る可能性もありますし、あるいは雨が早めに降ってくる可能性もありますし。戦略の定石で考えたら、ハミルトンが動いた時点で角田も動く、が正解だったと思いますが、しかしアルファタウリのマシンの相対的な戦闘力も考えると、これはこれで仕方なかったのかな、と思ってしまうんですよね。
にしても、今回デビュー戦となったリアム・ローソンはこの混乱のレースをきっちり完走してみせたのは素晴らしいですねえ。今回のレースはレッドブル的にも間違いなく合格点だったんじゃないでしょうか。リカルドの復帰は早くてもシンガポール以降と見られているようなので、次戦イタリアもおそらくローソンが乗るのかな？同じレッドブル・ジュニアの岩佐にしてみれば心穏やかでは無いかもしれませんが、ローソンがどこまでやれるのか楽しみでもあります。できれば適当なタイミングでリカルドには復帰してもらって、ローソンには10月のスーパーフォーミュラ最終戦でその勇姿を見せてほしいところですが。
そのほか
予選から速さを見せていたアルボンは、結果的に予選よりも順位を落としてのフィニッシュとはなりましたが、序盤の雨をノーピットでやり過ごしての8位入賞はなかなか凄いのでは。ていうか、ウィリアムズがほんと化けましたね。この状況でなかなか結果を残せないサージェントはちょっと苦しい立場かもしれませんが。アルボンがほんと調子いいだけにねえ……。
あと、終盤にクラッシュしてしまった周冠宇ですが、なんか自動車教習所のビデオに登場させてもいいくらいの見事なアクアプレーニングの実演になってしまいましたね（？）。あそこまで見事な滑走ぶりはなかなかお目にかかれない気がします。直前に角田もコースオフしていましたが、若干速度を緩められていたのと、角田は滑った先がサンドトラップだったのが幸いでしたね。周は滑った先もアスファルトのままだったので、ぜんぜん速度が殺されないまま激突しちゃったので……。
