大須は萌えているか?

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鈴鹿でスーパーフォーミュラを観てきた話(2023年版)

少し前の話になりますが、鈴鹿サーキットにスーパーフォーミュラ最終戦を見に行ったときのお話。

なんかここ数年はスーパーフォーミュラの最終戦を現地観戦するのが習慣になっておりまして、今年も鈴鹿サーキットに足を運んだ次第。今年も土日ともに予選と決勝が開催されるダブルヘッダーのレースとして開催されており、でもチケット自体は1レース分の値段なので、コスパの良さが半端ないですね。

今年はチャンピオン争いしているドライバーが3人おり、そしてそのうちの一人がすでにアルファタウリからF1デビューも果たしているリアム・ローソンというのもあって、なんか今年は例年より観客数が多い感じしました。実際問題として多かったようです。

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それとこの週末、鈴鹿サーキットに隣接している交通教育センターのほうで「Enjoy Honda」というホンダのイベントもやっていたので、それ目当てのお客さんもある程度いたのかもしれません。このイベントが開催されていたことで、レース観戦券を持っていない人でもGPスクエアには出入りできるようになっていたみたいで、その影響でGPスクエアから各観戦エリアへと向かう道中でレース観戦券を確認するゲートが設けられておりました。

ただ、この鈴鹿ラウンドに大湯都史樹が参戦していなかったのが残念でした。参戦資金絡みの問題、みたいなことを匂わせる記事も出ていましたが、これだけのスピードを持っている選手が資金持ち込みで参戦しているという状況が良くわからん。

jp.motorsport.com

土曜日

ダブルヘッダーでレースが開催されるとなると、午前中からスーパーフォーミュラの予選が始まってしまうので、土日とも朝早く出かけないといけないのが難点ではありますが、なんとか早起きしてまずはヘアピンから観戦。到着したときにはGR86/BRZクラブマンシリーズの予選をやってました。なんかL'Arc~en~CielのHYDEがカラーリングしたっていうマシンも走ってた。

スーパーフォーミュラはポイントリーダーの宮田莉朋を無限の2台が追いかける展開、当然追いかける方は気合十分……と思いきや、ポールポジションを決めるQ2のラストアタック中にデグナーで佐藤蓮がクラッシュ、赤旗中断に。

完全に水を差された格好になりましたが、F1のようにそのままセッション終了とはならず、残り3分という状態でセッション再開。タイヤに十分熱を入れられないままでのアタックとなりましたが、野尻が意地のポール獲得。インラップでローソンが野尻の前に出て、スローペースで走り始めたもんだから無線で野尻が怒りを顕にするシーンまでありましたが、ローソンはこれ狙ってやったんですかね。やったんでしょうねえ。

「幸い、僕らにはまだ使える程度のいいタイヤがあったので、Q2リスタート後には(赤旗導入時とは)違ったタイヤ(スクラブ済)をチョイスして、また当然残り時間もわずかなので、計測1周目からアタックに行かなければなりません。どうにか温めないといけない僕と、すでに温まったタイヤで再開後のアタック臨んだリアムがいて、彼はできることなら後続を抑えながら、僕たちタイヤを変えた組に対し、調子を出させたくないという思惑もあったと思います」

via: 野尻智紀、ローソンとのアウトラップでの攻防は「すごくイライラした」【SF第8戦鈴鹿予選会見】 | スーパーフォーミュラ | autosport web

野尻の横に宮田が並び、ローソンは7番手。この時点でかなり宮田が有利になったな、という感じですね。

そして決勝レースは逆バンクから見物していたんですが、ニュースになっていた通り序盤のうちに笹原右京と大津弘樹が130R接触、笹原のクルマは宙に浮きキャッチフェンスに激突、衝撃でモノコックとエンジンが分離してしまい、笹原を乗せたままのモノコックがデグナー側に落下するという、ちょっと今まで聞いたことのないような大クラッシュとなりました。

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テレビ映像で尋常じゃないクラッシュなのはわかりましたが、モノコックがデグナー側に落下したというのは後で知ってビックリしましたね。今年のスーパーGT松田次生が大クラッシュを演じ、そして今回は笹原のこのクラッシュと、130Rで重大なクラッシュが2件発生してしまったというのは重く受け止める必要があるように思います。

ひとつ思うのは、GTにせよフォーミュラにせよ、今のマシンってダウンフォースが昔よりもかなり強くなっており、130Rがほぼ直線と同じような扱いになってきた結果、130Rでも横に並びかけやすくなった、というのはありますよね。フラットアウトでいけてしまう分、リスクがだんだん軽視されていっているような気がしてしまいます。しかし、いくら直線同等で走れるとはいえ、コース幅がそこまで広くない高速コーナーであるのも事実で、しかもエスケープゾーンはそこまで広くありません。

正直、鈴鹿サーキットのレイアウトの関係上、大幅な改修が難しいのも理解はできるんですが、同じ年にここまで大きなクラッシュが相次いだという事実は無視できないように思います。幸いどちらの事故もドライバーの命に別状はありませんでしたが、一歩間違えば大惨事になっていた可能性もあるワケで、なにか対策を講じられないものか、とは思ってしまいますね。

このクラッシュによりキャッチフェンスが大きく破損したため、レース再開ができるかどうかわからない状態になったので、とりあえず逆バンクからグランドスタンドに行ってみました(一応、グランドスタンドの指定席も買っていたので)。

しばらく見ていると、トップの3台がなんか車検を受けているような感じだったので、これでレース終了だな、と思っていたら、案の定でした。

そして最後にマッチが表彰台に現れ、謝罪をするというシーンまで。お疲れ様です。

日曜日

土曜日のレースが序盤で早々に打ち切られたため、7番手スタートだったローソンは6位止まりとなり、タイトル獲得の可能性は非常に厳しい状態に。それでも、最後は速さを見せつけて終わりたいという気持ちが強かったんでしょうね。予選ではスーパーフォーミュラで初のポールポジションを獲得。レースでは安定して速いけど、一発の速さが……という印象のローソンでしたが、この最終戦でポールを取ってきたところに意地を感じます。

日曜日はピットウォークのチケットも買っていたので、予選終了後に待機列に並びに行き、ピットレーンの端から端まで一通りみて歩いてました。やはりというか無限のガレージ前はすごい人だかりで、ローソンが顔を見せたときはエラいことになってました。

あと、ピットレーン出口のところになぜかダラーラ・ストラダーレが置いてありました。どう見ても公道で乗るクルマではない。

ルーキーレーシングのガレージにはモリゾウさんの姿も……。

決勝レースはタイトルの決まる大一番だけに、ちゃんとレース展開を見たくなってグランドスタンドから観戦してました。SFgoにも課金していたんですが、レース見ながらリアルタイムで無線聞けるのって面白いですね。F1のライブタイミングアプリとは違い、任意のドライバーの無線を選んで聞けるので、より利便性が高いです。あとだいたいは日本語でやりとりしているのでちゃんと意味わかるし。

そしてレースでは太田格之進が初優勝を飾るという、これまた予想外な結末に。

いやもちろん予選2番手だったので、勝つ可能性はもちろんあったワケですが、ルーキーシーズンでまだ優勝が無かったドライバーなので、ローソンらを相手に真っ向勝負で勝つとは思いませんでした。ローソンも最後までプレッシャーを掛け続けてましたけど、崩せませんでしたねえ。

ローソンにしてみれば、チャンピオンは無理でも最後は勝って締めくくりたかったと思うんですが、これ本人にしてみれば悔いの残る結果だったでしょうね。そしてタイトルを争っていた野尻はあまりペースが上がらず、4位フィニッシュがやっと。結果的に、3位フィニッシュした宮田莉朋がスーパーフォーミュラで初タイトルを獲得したのでした。

野尻も三連覇ならず、という結果になりましたが、しかし若い日本人ドライバーがこうして優勝・タイトル獲得してみせた展開は、これはこれで良いものですね。宮田はWECを足がかりに世界を舞台に戦いたいという意向を見せていますし、実際問題として可能かどうかはわかりませんがF1を目指したいという気持ちもあるんでしょうしね。

スーパーフォーミュラのレベルの高さは海外からも認められているところだと思うので、ここからF1へと行けるルートも出来ていくと良いんですが。もちろん、国内のレースだけ経験していきなりF1に上がるのもアレかもしれないので、スーパーフォーミュラで良い成績上げたドライバーがF2なりに参戦してF1に行く、みたいな流れがあるとね。平川亮がマクラーレンリザーブドライバーになったというのをきっかけに、トヨタ系のドライバーでもF1を目指せるルートができると良いですね。

なお、普段は鈴鹿サーキットへの行き帰りには近鉄とバスを利用しているんですが、日曜日の帰りは試しに鈴鹿サーキット稲生駅から帰ってみました。

スーパーフォーミュラのときって白子駅との間を行き来する臨時バスがそんなにたくさんは走らないので地味に待ち時間が掛かったりするんですが、鈴鹿サーキット稲生駅の場合は南ゲートから歩いていけるのが魅力的。あと、サーキットから駅まで歩くときはゆるい下りになっている区間が多いので歩きやすいです。駅まではだいたい徒歩20~25分。

近鉄と違って列車の本数が少ないので事前に時刻表をきっちり確認しておくのは必須ですが、駅の入口のところで切符の販売も行われていました。普段は無人かつ自動券売機も無い駅なんですが。

私は事前に鈴鹿サーキット稲生に臨時停車する快速みえの指定席券を予約しており、名古屋駅で切符を発券していたので、それを使って乗車。4両編成で、後ろ1両がまるごと指定席となっておりました。指定席はやっぱり満員で、自由席は結構混雑してましたね。指定席取れていない状態なら近鉄使いたいかなあ……という感じ。

名古屋までの所要時間も近鉄特急には劣るので、利便性という意味では微妙なところもあるんですが、しかしバスの待ち時間と運賃が無くなる、というのはわりと大きなメリットではあります。特にF1みたいにバスの待ち時間が半端ないときは恩恵がでかくなるハズなんですが、しかしF1のときに指定取るのは困難なんだろうなあ……。