大須は萌えているか?

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「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」を利用して2泊3日で地方私鉄を乗り回した話

ちょっと前にまた乗り鉄してきた時のお話(例によって『駅メモ!』の制覇路線を増やすためのものです)。

ふと思い立って、2泊3日であちこちの鉄道に乗ってきました。今回は、通年販売されている「JR東海&16私鉄 乗り鉄☆たびきっぷ」というフリー切符を利用します。

railway.jr-central.co.jp

これ、土休日の連続する2日間で利用可能となっており、切符名にもあるようにJR東海だけでなく、JR東海に隣接する私鉄もフリー区間に含まれているというもの。西は近江鉄道、東は伊豆箱根鉄道まで含まれており、わりと広範囲なエリアが対象になっています。大井川鉄道が対象に含まれていないのがちょっと残念。

この切符を利用できるのが2日間なんですが、最後の1日は青春18きっぷを1回分利用しようという算段です。当初は1日2日で戻るプランも考えたんですが、なんかキリが悪い感じがしたので2泊ということにしてしまいました。

三岐鉄道

初日、まずはJRで三重県に向かい、富田駅で下車。ここから10分ほど歩いて近鉄富田駅へと向かいます。なんで近鉄の駅へ向かったかというと、ここから出ている三岐鉄道三岐線に乗るため。とはいえ、実はこの三岐鉄道三岐線というのは今回利用している「乗り鉄たびきっぷ」のフリー区間には含まれていないんですけどね。

なんでフリー区間に含まれていない路線に乗るかというと、この三岐線と川を挟んで並走するように走っている三岐鉄道北勢線はフリー区間に含まれており、この三岐線+徒歩で北勢線の終点である阿下喜駅まで行き、そこから北勢線で戻ってこようと考えたためです。三岐鉄道自体乗るのは初めてで、てっきりそんな混雑することは無いだろうと思っていたら近鉄富田駅で大量の高校生が乗車しておりビビりました。

皆「暁学園前」という駅で降りていったのでここの生徒さんなんでしょうけども、ちょうど通学の時間帯にぶつかってしまった模様。そこから先はガラガラでした。なお、使用されている車両は昔西武で走っていたっぽい感じのやつ。

30分ちょっと乗車して、伊勢治田という駅で下車。終点の西藤原駅はもうちょっと先ですが、乗り継ぎも考えるとここで下車して阿下喜まで歩くのが良さそうだったので……(『駅メモ!』的には、東藤原から西藤原は阿下喜からレーダーで取得)。

伊勢治田からもうちょっと奥に行ったところに大規模なセメント工場があるようで、三岐線はそこからの貨物輸送も担っている感じなんですね。阿下喜まで歩いている途中からも、その工場を見ることが出来ました。

阿下喜から西桑名までを結ぶ三岐鉄道北勢線はフリー区間に含まれているんですが、こちらは三岐線と異なりナローゲージと呼ばれる狭い線路幅が採用されている路線となっており、車両もそれに合わせてた妙に細いものとなっています(奥にいるのは多分昔の車両)。

これ、乗ってみるとなかなかに手狭で、座席はよくあるロングシートなんですが両サイドに大人が座ると、それだけで通路が塞がってしまうくらいの幅しかありません。それでも、桑名が近づくに連れて立ち席が出るくらいに混雑はするので、なかなか難儀な感じでした。車内に空調設備の機器がどかんと置かれ、これが結構場所を取るし……。

養老鉄道樽見鉄道

西桑名に到着したあとは、隣接する桑名駅から養老鉄道に乗ります。これも初めて乗る列車。

見た目からし近鉄のお古だな、という感じですが、会社からし近鉄の子会社ですよね確か。路線的には桑名から岐阜県の揖斐までを結ぶ形になっていますが、時刻表を見ると揖斐まで一本でいく列車は存在しない模様。ほとんどの列車が大垣行きとなっています。まあ実際問題、ほとんどのお客さんが大垣までで降りるんでしょうけども。

あとこれ難儀なのが、大垣で降りて揖斐方面の列車にすぐ連絡しているのかというとそうでもないようで、場合によっては大垣で結構な時間待つ羽目になります。ていうか実際問題としてかなりの待ち時間が発生しそうだったので、大垣で一度養老鉄道を出て、樽見鉄道に乗り換えます。

樽見鉄道もそんなに本数の多い路線ではありませんが、こちらのほうがたまたま待ち時間少なめで乗り継げそうだったので。1両のみの非常にローカル色の強い車両ですが、大垣駅からはまあまあお客さん乘ってました。

ただ、路線的には本巣くらいまでは平野部なんですが、そこから谷筋に入っていき、一気にマニアックな雰囲気になります。その頃にはお客さんもだいぶ降りている感じ。ずっと乘っているお客さんは皆乗り鉄っぽい方々ばかりでした。

終点の樽見駅では何やらモニュメント的なものがあったので写真を撮ってみたんですが、他になにか面白そうな施設がある雰囲気でも無かったので、そのまま列車にUターン。

そういや、この路線で『駅メモ!』のチェックインをポチポチしていたら、5日間くらいリンクを継続している人が居てぶったまげました。過疎駅ではあるんでしょうけど、そんなに長くリンクを継続できるものなのか……。大垣まで戻ってきたら、再び養老鉄道のホームへと行き揖斐まで乗ります。

揖斐までそんなに長い距離ではないのでまあ良いんですが、こうした盲腸線を終点まで乘ってそのまま折り返してくるのって、なんかちょっとかったるいのが難点。最初、揖斐からバスなどを使って樽見鉄道に乗り継いだりできないか、と考えたんですが、どうもバスの本数がかなり少ないようで、結局大人しく鉄道で往復したほうが速いという結論になってしまいました。

近江鉄道・新幹線

三度大垣駅に降り立ったあとは、近江鉄道に乗るために米原へ……と思ったんですが、ここでまた乗り継ぎの問題が発生しまして、普通に米原へ行って近江鉄道に乗ろうと思うとまた結構な待ち時間が発生することが判明。オマケにこの日、浜松に宿を予約していたので、グズグズしていると宿に到着する時間がエライ遅くなってしまいます。

仕方が無いので、JRで米原を通り過ぎて近江八幡まで行ってしまい、そこから近江鉄道八日市線に乗り換え、八日市から近江鉄道本線で貴生川まで行くことにしました(『駅メモ!』的には、米原から八日市までの区間はレーダーで取ってしまうことに)。「乗り鉄たびきっぷ」のフリー区間米原までとなるので、近江八幡で運賃精算をします。

そして近江鉄道の車両を写真に取るのを忘れていたんですが、これまた古い西武の車両を転用したもの。近江鉄道西武グループですしね。しかし、なんかかなり乗り心地が悪かった気がするんですがなんなんだろあれ。特に上下の揺れが結構激しくて、区間によってはスマホの画面が見えないくらいだったりしたんですが……。

貴生川からはJR西日本草津線東海道線を利用して米原へ戻ります。いや単純に近江鉄道より速いので……。あと晩飯を食べられるタイミングがまったく無かったので、草津駅構内になるセブンイレブンで弁当を調達。乗り継ぎの効率を優先に考えると、食事のタイミングが失われるという……。

乗り鉄たびきっぷ」は2日間の期間中に4回まで新幹線の利用が可能となっており(ただしのぞみは不可)、これを利用して米原から浜松まで新幹線を利用します。もちろん特急券などは別途購入する必要がありますが。ちょうどギリギリのタイミングで米原からひかり号に乗り継ぐことができ、しかもこのひかりが浜松にも停車するものだったので大助かりでした。

遠州鉄道天竜浜名湖鉄道

浜松で一泊したあとは、徒歩で新浜松駅まで行き遠州鉄道に乗ります。終点の西鹿島では天竜浜名湖鉄道に接続しているんですが、ただ悩ましいのがこの西鹿島という駅って天竜浜名湖鉄道にとっては真ん中らへんの駅になるんですよね。

www.tenhama.co.jp

天竜浜名湖鉄道も乗り潰そうと考えると、一筆書きで乗れるルートが無いんですよね。なので、遠州鉄道西鹿島まで行き、そのまま新浜松まで折り返してJRに乗り換え、新所原まで行って天竜浜名湖鉄道掛川まで行く、というルートにしました。

遠州鉄道というと、かつて2ちゃんねる時代に話題になったネット怪談「きさらぎ駅」の題材にもなった路線ですが、なんかしっかり公式でネタにされてました。ていうか「きさらぎ駅」の投稿から20年ってマジか。

ていうか「きさらぎ駅」って存在しない駅なんだから、そこ行きの切符があってはいけない気がするんですが……。

にしても、遠州鉄道って1路線しか無い鉄道会社の割には、結構リッチな(?)雰囲気があるのはなんなんでしょうか。車両はどこかのお下がりでは無いオリジナルのものを採用しているようですし、新浜松からしばらくは高架線にもなっていますし。

鉄道以外にも観光事業や不動産事業など、あれこれ手広くやっているみたいなので、グループ全体で見ると結構儲かっているんだろうか……。

一方で天竜浜名湖鉄道は「ザ・ローカル線」とでも言うべき佇まいがステキです。

天竜浜名湖鉄道といえばエヴァンゲリオンで一躍話題になった天竜二俣駅の転車台ですが、車内からかろうじて見ることができました。

ていうかこの駅、ホームから少し離れた場所にずいぶん昔の客車のようなものが留め置かれてたりもして、なんかいろいろ気になる……。

伊豆箱根鉄道

掛川到着後は再び新幹線を利用し、こだまで三島へ。富士山めっちゃキレイでした。

ここから伊豆箱根鉄道に乗車します。これも西武グループなんだな。

車両の古さという点では近江鉄道と遜色ないようにも見えましたが、しかし乗り心地はこちらのほうが良かったような。車両側ではなく線路の問題なんだろうか。

終点の修善寺は温泉などもある観光地ですが、あんまりゆっくりしている時間も無いのでちょろっと降りたらまた引き返します。終点まで来てほとんど何もせずに引き返すって、傍から見てると「何やってんだコイツ」という感じもしますが、しかしもはや移動が手段ではなく目的と化してしまっているので仕方ありません。この沿線には北条氏ゆかりの地もあって、以前クルマで来たりはしているのですが。

身延線

伊豆箱根鉄道を折り返して三島まで戻ったあとは、JRで富士まで行き身延線に乗り換えます。もともと今年の夏に乗り鉄旅行をしたときに身延線に乗ろうとしていたのですが、そのときちょうど富士のあたりで集中豪雨があったため乗りそびれていたんですよね。本数が少ないので富士駅近辺で少々時間を潰していたんですが、なんとか特急ふじかわに乗車。「乗り鉄たびきっぷ」は新幹線や特急と組み合わせられるのはメリットですね。

身延線は富士山の西側をぐるっと走っていくような路線ですが、曲がりくねった線形をしているのもあってか特急に乘っても速度が全然出ない。ただまあ西日を受けた富士山が綺麗だったので良しとします。

このまま特急で終点の甲府まで……は行かず、途中の身延駅で下車。いやなんか、『駅メモ!』のイベントで一定以上の達成度まで進めていれば、この駅でノベルティを貰えるというのでつい……。

このイベント、達成度に応じて尾鷲もしくは身延でノベルティが貰えるというものなんですが、すでに尾鷲でもノベルティを貰っており、身延で無事コンプということになりました。まあ、この身延で下車したことにより、次の列車まで40分くらい待つことになるのですが……。

駅でぼーっとしているのもアレなので、少し駅の周囲を散策してみましたが日もとっぷり暮れており、周辺のお店も閉まっている状態。なにやら『ゆるキャン』の幟が立っているお店が気になるのだけど……。

駅舎にはでかでかと駅メモのキャラクターも掲示されており、なかなかの力の入れよう。

その後甲府方面の列車に乘って身延線は全線乗車したんですが、この日宿を取っていたのは大月だったので、中央線に乗り換え。実野ところ、今年の正月に出かけた乗り鉄旅でも大月で一泊しているので、今年2回めの大月だったりもします。

imp98.hateblo.jp

富士急行線

大月で一泊し、この日は主に青春18きっぷを利用しての移動となります……が、せっかくなので大月からまずは富士急行線に乗ることに。この路線もこういうタイミングじゃないと乗ることないだろうし……。

富士急も終点河口湖まで行ってそのまま引き返してくる形にはなっちゃうんですが。にしても、昨日からずっと富士山のまわりをうろうろしている気がする。ただ、富士急の車窓から富士山が見えるタイミングって意外と限られているな、という感じもしました。

あとはひたすらJR

富士急を往復したあとは、大月から中央線でまっすぐ東京……へいくのもつまらないので、立川で下車して南武線に乗り換え。このまま南武線で真っ直ぐ行くのもありかと思ったんですが、府中本町で武蔵野線に乗り換え。武蔵野線でずーっと東京の外縁部を進み、南船橋京葉線に乗り換えて東京へ。

ここからあとは東海道線で名古屋へ……と思ったんですが、もうちょっと寄り道をすることを思いついてしまいました。そんなワケで、川崎から再び南武線に乗り換えて隣の尻手へ行き、そこから浜川崎行きに乗り換え。

こちらは南武線の支線という扱いになっており、浜川崎で鶴見線に接続しているんですね。この路線もなかなか乗る機会が無さそうなので、ついでに乘っておこうと。そんなにお客さん多くないのでは、と思っていたんですが、結構乘ってましたね。

そして浜川崎駅って面白いことに、南武線鶴見線のホームが直接は繋がっておらず、道路を挟んでいるんですね。これ無人駅なんですけど、例えば大回り乗車をしているときにはどういう扱いになるんだろうか……。

浜川崎からは鶴見線に乗り換えたんですが、鶴見線跨線橋からは隣接する工場の専用出入り口があったりするのも面白い。鶴見線の支線に乗り換えると、東芝の社員じゃないとそもそも改札の外にも出られないという海芝浦駅に行けたりもしますが、さすがにそこまで寄り道していると名古屋まで帰れなくなりそうだったのでパスしました。

鶴見からは一度横浜に出て、そこからは東海道本線。ただ、最後に国府津御殿場線に乗り換えて沼津まで行く、なんていうこともしてしまったんですが……。

沼津からは再び東海道本線普通列車に乘って、静岡ロングシート地獄の旅路を満喫したんですが、よくよく考えてみるとこの日は平日(月曜に有給を取って土日月と旅行していた)であり、沼津からホームライナーに乗れたじゃん……ということに気づいたのは、もう浜松が近くなってきた頃合いでした。いやほんと、なんでこの存在を失念していたのか……。ロングシートでかつ帰宅ラッシュの時間にも重なってしまったため、電車内で弁当を食べることもできずに難儀していたのに。

しかしまー、今年の正月にも東海道線でひたすら東京まで行ったりしていましたが、年の暮れにまた東京から名古屋まで普通列車で乗り通す(しかも御殿場線経由)ことになるとは思いませんでした。

今回使った青春18きっぷはあと4回分残っているので、これは正月休みの間に利用したいと思います。次はちょっと西の方へ行こうかな、と。