大須は萌えているか?

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F1[24] サウジアラビアGP 決勝

やってくれたな、小松さん……。というワケで、F1サウジアラビアGP決勝のお話。

レッドブルはここでも別カテゴリーになっていたのでアレなんですが、しかし速すぎるもんだからバトルが発生せず、それゆえレース中のテレビへの露出がかなり少なくなるというのもスポンサー企業の立場からすると問題なのかもしれませんね。

今回のレースで一番印象的だったのはやはりハースですねえ。いや、やってくれたな小松さんって感じ。これ、どこのレースでも同じような芸当ができるとは思えないんですが、このジェッダのようにレース中のデグラデーションが少なくて、かつ意外とオーバーテイクが難しいコースだからこそ成立した作戦と言えます。さらに、マグヌッセンがタイムペナルティを食らってもはやレースでまともな成績を残すことは不可能になった、という状況も加わってこそのものなので、なかなか狙ってできるものではありません。

ただ気になるのはアレなんですよね、マグヌッセンが2度めのタイムペナルティを食らう原因となった角田とのバトル、あれでコースオフしたあと角田に順位を譲らなかったのは「タイムペナルティを食らっても構わん」というつもりだったのか、あるいは「これくらいのコースオフならペナルティ対象にはならんやろ」という楽観だったのか、という点。

いや、なんかふつうに考えたらチームが「コースオフしたからポジション戻せ」という指示を出しそうなもんじゃないか、と思っちゃうので。角田をパスした時点でのマグヌッセンのポジションは12番手で、すぐ前にはまだピットに入っていなかった周がいて、同じくピット入ってない同僚のヒュルケンベルグが6秒くらい前にいる感じだったので、トラックポジションだけ見ればマグヌッセンにもまだ入賞のチャンスがありそうな状態ではあります。

ただ、この時点でアルボンとの接触により10秒のタイムペナルティは確定していたので、後ろが連なっている状況を考えれば入賞は厳しい。そうなると、ひょっとしたら角田との件はペナルティ対象にはならないという可能性に掛けてポジションは戻さず、もし追加のペナルティ食らっちゃったらマグヌッセンには妖怪通せんぼジジイになってもらおう、という考えだったのかなあという気がします。

マグヌッセンに角田との件でのペナルティが出たのが22周めの途中で、その直前に1分34秒9というタイムを出していたマグヌッセンは途端に35秒8までタイムを落とします。それと同時にヒュルケンベルグもペースアップし、それ以降マグヌッセンが36秒台で走る一方ヒュルケンベルグが34秒台で走ってマージンを稼いでいった感じ。

タイムペナルティが出た途端にパッとマグヌッセンがペースを切り替えたような感じに見えるので、これたぶん角田をオーバーテイクしたときからチームと申し合わせていたんだろうなあ、と。これはペナルティを食らうとしてもそれはタイムペナルティであり、物理的なトラックポジションはそのままで良い、というルールをフル活用した作戦だったと言えます。

まあそれゆえにRBからは「スポーツマンシップに反する」という文句も出るワケですが。

That, to me, doesn’t seem correct and is the very definition of unsportsmanlike behaviour. I’m sure we and other teams will talk to the FIA about it for future races.

via: Alan Permane : What the teams said – Race day at the 2024 Saudi Arabia Grand Prix | Formula 1®

ただまー6番目以降のチームにとっては、1ポイントの重みって非常に大きいんですよね。滅多にリタイヤが出ない昨今のレースでは、入賞できるチャンスそのものがなかなか無いんだから。だからこそ、かなりえげつない手を使ってでもポイントにこだわったハースの作戦は理解はできます。それと同時に、このミッションをやり遂げたマグヌッセンもすごい……けど、でもまあやっぱりタイムペナルティ2連発も加味すると褒められたレースじゃねえよな……。

これは角田はどれだけブチギレているだろうか、とハラハラしたんですが、無線での応答はかなり冷静でしたね。開幕戦の反省もあってのことだと思いますが、そこはRBにとって唯一の救いだったかもしれない。しかしどのみち、RBのレースペースがイマイチ過ぎましたね。

ハースとRBの話ばかりになってしまいましたが、あとデビュー戦で7位入賞を果たしたベアマンは面白い存在になりそうですねえ。18歳のデビュー戦であの落ち着きぶりはなんなんだろ。ピットで見守るお父さんのほうがソワソワして見えたっていう。

フェラーリにとってはルクレールが最後にファステストを取れたというのも良かったですね。全体的にはレッドブルに及ばなかったワケですが、最後までペースを残せていたというコトでもありますので。ただ、それはこのサーキット特有の事象でもあるのかもしれませんが。むしろタイヤの熱入れに苦労したっていう話だし。

アロンソも5位入賞で思いの外良い結果だったんじゃないかと思いますが、これについても今回の特殊要因もあるかもですね。そのあたり、次戦オーストラリアでどうなるか。