※画像多めです。
この記事は、「夏の聖地ハシゴツアー その1 長野編」の続きです。ちなみに今回、あんまり聖地と関係ありません。
上田市で砥石城跡に登りクタクタになったあとは、国道144号線を引き返し群馬方面へと向かいます。上田からだと『あの夏で待ってる』の舞台となっている小諸や軽井沢も近いんですが、そこまで寄り道しちゃうと時間が心配だったのでパスしました。夏の避暑地の定番でもあるので、ふつーに混み合っていそうだし。
ちなみに、上田や軽井沢を結んでいるしなの鉄道ではラッピング列車の運行と記念切符の発売もしているみたいで。
ラッピング列車は興味あったんですが、ダイヤを調べてみたら私が訪れた8月11日は「予備日」となっておりました。走ってるなら見に行ったかもですが、残念。
黄色いFDをかるくひねりに榛名山へ
WEBではもっぱら「グンマー」などと呼ばれ未開の地みたいな扱いをされていますが、大変な誤解です。せいぜい、県境を越えた瞬間にバギーに乗ったやたらガタイの良いモヒカンの兄ちゃん達が「ヒャッハッハ!水だぁ~ッ!!」などと叫びながら襲ってきて、ミネラルウォーターと種もみを奪われた程度です。
嘘です。
県境を越えると嬬恋村に入るのですが、ここら辺はたいそう賑わっておりました。軽井沢の真北くらいに位置する村ですが、やっぱこの辺は混み合うのね。嬬恋のコンビニでトイレに寄ろうと思ったんですが、店内がごった返してて無理でした。しゃーないのでそのまま国道144号線~145号線を進み続け、郷原付近で県道28号線に入り南へ向かいます。この道、榛名山を駆け上るヒルクライムとなっており、道幅が広く走りやすいのでついついテンションが上がりますが安全運転でお願い致します。
そうして到着したのが榛名湖。はい、ダウンヒル最速のハチロクがとうふを届けてるところ(のモデル)ですね。ここに来るのも2度目だったりします。
湖の向こうに見える特徴的な山は榛名富士と呼ばれていますが、これは榛名山のカルデラにできた中央火口丘とのこと。
ここに到着する直前に結構な大雨に見舞われたのですが、榛名湖の市営駐車場にクルマを入れたタイミングで雨が止んでくれてラッキーでした。でもまた降り出しそうな天気だったので、ちょろっと写真だけ撮って再びクルマを走らせます。道なりに榛名湖の南端までぐるっと周り、そのまま県道33号線を進むと秋名……榛名のダウンヒルです。頭文字Dに登場する峠道は割とモデルとなった場所に忠実なので、走ってみると結構面白い。ミゾ走りできるヘアピンはあんまり無いですけどね。ていうかやらないようにね。
ダウンヒルを下りきったところには伊香保温泉があり、とても多くの人で賑わっていました。峠道も伊香保温泉に向かうクルマが結構多かったので、必然的に安全運転になるんですけども。
東洋のナイアガラ……?
この日は渋川の北にある沼田市のビジネスホテルを予約してあったんですけど、まだちょっと時間に余裕があったので沼田市街を通り過ぎて国道120号線を北東に向かい、国道沿いにある「吹割の滝」を見物してみました。聖地と関係ないですけど。
滝の手前に市営の無料駐車場があったのでそこにクルマを駐め、観瀑台(つまり滝がよく見える場所)へと通じる遊歩道があったので歩いてみたんですけど、またしばらく階段と山道を登らされるハメになり軽く後悔。観瀑台というのも、「山中からちらっと滝を見下ろせる場所」程度のものです。
しかしユニークな滝ですねコレ。川の中がひび割れたようになってて、そこから水が流れ落ちてる。滝壺のすぐ近くからも見物できるようだったので遊歩道を降りて行ってみたのですが、このように滝のスグ横から水の流れ落ちる様を見物できるところって珍しいかもしれません。
国道沿いの看板には「東洋のナイアガラ」などと書かれていましたが、ナイアガラは言い過ぎにしても観ておいて損は無い場所でした。
はるかな
滝を見物したあとは沼田市街に戻り、ホテルにチェックイン。泊まったのは「沼田パブリックホテル」というところ。よくある地方のビジネスホテルといった感じですが、部屋にLANと冷蔵庫が無いのが残念。
そして翌日向かったのは、尾瀬です。夏が来れば思い出す、はるかな尾瀬です。
看板にある「東京電力」の文字が眩しいですね(尾瀬国立公園の4割は東電の所有地)。ここも聖地関係ないやんけ、という説もあるんですが、以前から一度来てみたかったんですよ。昔読んだ『かってに改蔵』15巻のエピソードで、夏休みの思い出をオークションで買うというネタがあったんですけど、その中で「キングオブ夏の思い出」として「はるかな尾瀬」が登場してて。
(『かってに改蔵』15巻 47ページ)
確かに学校で歌わされたりしたので、夏が来れば思い出さざるを得ません。「誰もがみなその地名を知っている!!でもその実どこにあるのかはよくわからない!!」というのはまったくその通り。私もしばらく尾瀬がどこにあるのかよく知りませんでした。尾瀬国立公園って群馬・福島・新潟・栃木の4県にまたがっているとのことで、それが余計に場所をわかりづらくさせてるのかも。
『改蔵』では美人で有名なクラス委員の山田さんが1億兆円で尾瀬の思い出を落札していますが、山田さんが1億兆円を突っ込んでまで欲しがった尾瀬の思い出とはいかほどのものなのか?尾瀬はホントにしっとりするくらい湿っているのか?それを実際に確かめたくて、足を運んだ次第。
尾瀬のことを軽く調べてみると、群馬県側と福島県側に入口があり、初心者向きで人気があるのは群馬県側の鳩待峠から入る方とのこと。木道が整備された湿原であるものの標高がそこそこ高い(1600mくらい)ので天気が変わりやすく、朝晩は気温も下がるので雨具や防寒具が必要。足下は滑りやすい場所もあるため、スニーカーではなくトレッキングシューズが望ましいとのこと。
鳩待峠までの道はマイカー規制されており、手前の戸倉という場所にある駐車場にクルマを置いて、マイクロバスか乗り合いタクシーで鳩待峠まで行きます。私は朝の8時半くらいに戸倉に到着しましたが、駐車場はまだまだ余裕のある状態。沼田のホテルで聞いた話だと、尾瀬への観光客は年々減少傾向なんだとか。そこに原発事故の風評被害もあったりして、踏んだり蹴ったりな状況みたいです。
バスは1時間に1本程度ですが、乗り合いタクシーは人数が集まれば随時出してくれるので、タクシー使うのが手っ取り早そうです。バスと乗り合いタクシーの料金は同じ(900円)で、チケットも共通。チケットを買ったタイミングで、先に出発しそうな方に乗ってしまえば良いと。戸倉の駐車場では、係のおばちゃんが「タクシーのが速いからそっち乗って」と案内してくれました。
天気予報では降水確率が高かったため雨が心配だったんですが、鳩待峠では幸いにして雨は降っておらず。そこから中に入っていくと、まず山の中を延々と下り続けます。ラクで良いんですけど、これ帰り道では延々と登ってこなきゃいけないんだよね……?
尾瀬の木道は右側通行というコトで、皆右側を一列になって歩きます。混み合ってると写真を撮るのも難しくなるので、後ろから追い付いてくる人が居たら適宜譲った方が良さそう。人が減っているといっても、やっぱりそれなりには訪れている人多いです。若い女性が結構多かったのが驚き。これが山ガールってやつか。そして山ガールが年を重ねると山姥になるワケですねHAHAHA……っていやなんでもありません冗談ですはい。
木道をよく見ると東電マーク発見。
「H21」はたぶん平成21年ってコトでしょうね。こうした木道の整備なども含め環境保護名目で東電は年間2億円程度を拠出していると報じられてましたけど、そういう場所からわずか150キロ程度の場所で原発事故が起きたというのはなんとも皮肉な話です。
そして尾瀬というと歌にもある水芭蕉の花ですが、木道をしばらく歩いて行くとその水芭蕉が咲いて、
……いない(写真右手のでっかい葉っぱが水芭蕉)。水芭蕉の花は6月頃が見頃だそうで、他に有名なニッコウキスゲは7月。実はお盆の時期って見頃の植物がコレといって無く、6~7月よりむしろ人が減るんだとか。混雑が嫌いな身としては、そういう意味じゃラッキーだったのかも?
鳩待峠から1時間ほど下っていくと、「山の鼻」と呼ばれる場所に到着。ここにはベンチやトイレ、山小屋などがあり休憩できるようになってます。ちなみに、尾瀬のトイレってチップ制になっており、入口にチップを入れる箱があったりします。1回につき100円が目安。
そして山の鼻から先が尾瀬ヶ原。今まで林の中を進んできたのがウソのように、一気に視界が開けます。
あー、尾瀬っぽい!尾瀬が紹介されるときのイメージって、だいたいここら辺ですよね。しかしまー、これは確かに「はるかな尾瀬」ですわ。木道の終点が見えない。この辺は完全に両サイド沼なので、木道から足踏み外すとエライことになるので注意しましょう。でも、湿っぽいかというとそんなコトはなく、むしろ標高が高い分風がさわやかで気持ち良いくらい。
つまり、美人で有名なクラス委員の山田さんは1億兆円でガセの思い出を掴まされたコトになります。オークション主催者が部長というコトを考えれば当然の帰結ではあるのですが。
……にしても、歩けど歩けど遥か過ぎる風景が続き、いったいどこまで歩いてどこで引き返せば良いのかよくわからなくなってきました。
山の鼻から2.2キロ歩いたところに「牛首」という道が分岐するポイントがあり、そこにあったベンチでとりあえず休憩。事前にコンビニで購入しておいたおにぎり等を食べたりして。だだっ広い湿原の中でメシを食うのはなかなか新鮮。でも、ふと歩いてきた方角を見てみると雨雲が出てきており、なんとなく嫌な予感がしたのでそこで引き返すコトにしました。
牛首からさらに歩いて行くと「東電小屋」という名前の山小屋もあるみたいなんですが、そのものズバリな名前だけにそれこそ風評被害が懸念される気が……。
そして来た道を引き返したのですが、途中までは良かったものの、よりによって鳩待峠に向かう上り道で急な大雨が。山の天気は変わりやすいというコトを身をもって体験。ちゃんとレインコート持ってて良かったよ……。でも尾瀬自体はかなり良い場所だったので、そのうち機会があれば福島県側からも入ってみたいな。
この日は戸倉の駐車場近くにある「一仙」という民宿で一泊。なぜ民宿かとゆーと、ホテルだとお一人様プランが見当たらなかったから。でも、宿の人はすごく感じが良かったし、晩飯は相当ボリュームあったので満足です。民宿って食事のコストパフォーマンスが異常に高いよね。
続く。