また天気に翻弄される予選に。F1マレーシアGP予選。
予選結果:
2013 FORMULA 1 PETRONAS MALAYSIA GRAND PRIX - The Official F1 Website
予選後ドライバーコメント:
Qualifying - selected team and driver quotes - The Official F1 Website
予選後記者会見:
FIA post-qualifying press conference - Malaysia - The Official F1 Website
分かれるタイヤチョイス
開幕戦のオーストラリアのようにセッションが継続できないレベルの雨がざざーんと降ってくるワケではありませんでしたが、Q2途中から部分的に雨が降っちゃったので、一部ドライで一部ウェットという微妙すぎるコンディションとなっちゃいましたね。
ただ、それとは別にQ1からQ2前半にかけては今季のピレリタイヤの特性を考慮しつつ決勝のタイヤ戦略をどう組み立てるかという各チームの判断が分かれていたりして、それはそれで興味深い予選となってましたねー。
昨年までの流れだと、まず16位以内に入っていれば良いQ1はプライム(固いほう)タイヤでアタックし、Q2とQ3でオプション(柔らかいほう)タイヤを投入するというのが鉄板の流れ(Q1ノックアウト常連組は除く)だったワケですが、今回はQ1初っぱなからフォースインディアとロータスがオプション(ミディアム)を投入。そしてレッドブルもこのビッグウェーブに乗りオプション投入。いや最初からそう計画していたんでしょうけど。
一方、マクラーレン、メルセデス、フェラーリといったチームはプライム(ハード)でQ1を乗り切るというコンサバな作戦。
ここでまた興味深いのは、オプションを投入したベッテルはかなり抑えめに走っていたという点。オプション投じたんだから当然のようにトップタイムを更新しまくるのかと思いきや、結果的には「ギリでQ1突破できるタイム」だけ出してセッション終了。同様にオプション履いてスコーンと上位タイムを叩きだしたスーティルやライコネンとは対照的。ベッテルのタイムはスーティルより1秒以上遅いもの。
ウェバーもベッテルよりコンマ2秒だけ速いタイムで9番手。
水を差されたQ2
んで、Q2一発目のアタックでは、Q1でミディアム投入してきた組の多くはQ1で使用したタイヤをそのまま使用。ただ、タイミングアプリの表示を信じるならば、ウェバーとライコネンはQ2でも新品のミディアムを投入。当然タイム的には新品履いているクルマが上位を占める格好になるんですが、スーティルはユーズドで5番手タイムを叩き出していたのも印象的。
レッドブルはひょっとするとQ2をQ1で使用したオプションで乗り切る目論見(あわよくば)なのかな、と思ったので、ウェバーのチョイスはようわからんなぁと思いましたけど。あるいは、Q1の感触があまり良くなかったし、雨の予報もあったので保険も兼ねてニューを投入したか。
んで、ここから2度目のアタックはどうなるか……というところでコースの一部に雨が。しかし、ちょうどそのタイミングで新品のオプションを履き2度目のアタックに出撃したディ・レスタにとってはコレ最悪のタイミングで、アタック途中にまんまとスピンしてしまい予選終了のお知らせ。チームの予想より早く雨が来てしまったというディ・レスタのコメントですが、降雨直前のギリギリのタイミング狙ってたのかな……?
微妙なコンディションのQ3
そしてQ3は各車インターミディエイト装着となったワケですが、ここでも最後まで同じタイヤで走り通すクルマと、途中で一度新品に交換するクルマに分かれたりして。マクラーレン、メルセデスの各2台とウェバーは無交換、あとは途中で一度交換。ハミルトンはQ3一番最後のタイミングでアタックに入れたものの、タイヤ的に上位を食うのが難しいとみて途中でアタックやめちゃいましたね。
ただハミルトン自身は「前に居る連中より古いタイヤだったのはちょっと不運だったけど、全体的に良いペースだし不満は無いよ」とコメント。ハミルトンは4番手、ロズベルグは6番手に付けているので、感覚としては悪く無さそう。
それにしてもまたポールを獲得したベッテルのタイムは圧倒的で、ちょっと意味わかんないレベル。セクター1のタイムは他とあまり変わらないんですが、セクター2と3は他を圧倒してますね。一方でウェバーは5番手というやや精彩を欠くポジションですが、一番最後のギリギリのタイミングでアタックに入り損ねたというオチがありますからねぇ。アタックに入れていたら、またフロントロウ独占していたんでしょうか。
そしてフェラーリはマッサが2番手、アロンソが3番手という好ポジション。タイム的にはベッテルからだいぶ離されていますが、予選でここまで前に出てこられるフェラーリというのは新鮮です。ちなみに、マッサのフロントロウっていつ以来だっけ、とF1公式の記録を見返してたら、2010年の開幕戦バーレーン以来という結構驚きの事実が……そりゃマッサもはしゃぐワケだ……。
開幕戦を制したライコネンは7番手という前回と同じグリッド……かと思いきや、予選中にロズベルグの走路妨害をしたというコトで3グリッド降格ペナルティ。
Raikkonen handed three-place grid penalty for impeding - The Official F1 Website
グロージャンも11番手と、ロータス勢にとってはやや厳しい結果となった感じ。ただ、前回のように決勝ではまたどうなるかわかりませんし。
決勝ではプライムを温存出来ているレッドブルがどういう結果を出すのかが興味深いところですが、ただ決勝も予報では雨となっており(F1公式サイトの予報では「storm」)、ドライタイヤを温存した意味無し!なレースになってしまう可能性も否定できません。ううむ。