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BD版『叛逆の物語』:1st take verのほむらちゃんマジ悪魔

遅ればせばがら、BD版『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ [新編]叛逆の物語』を観た話。

劇場で2回観てからのBD視聴なので、物語は当然頭の中に入っているワケですが。ただ、とにかく映像の情報量がものすごい作品なので、こうしてBDで何度でも見返せるというのは嬉しいですね。

BD化にあたり、半分以上のカットに修正が加えられているそうですが(付属ブックレットの宮本監督のコメント)、正直劇場版のカットを子細に覚えて無いので、具体的にどこが違うというところまではピンと来ませんでした。ただ、やっぱり細部まで描きこれまれた映像は圧倒的。特にマミさんとほむらの戦闘シーンみたいな動きの激しいシーンは、BDでは映えますねぇ。

んで、今回のBDで一番気になっていたのは特典Discに収録されている「HOMURA 1st take version」。この『叛逆の物語』、ほむらがまどかを引き裂いちゃうシーン以降のほむらの台詞をリテイクしていたそうで、劇場版として公開されたのはそのリテイク後のバージョン。ただ、リテイク前のバージョンもお蔵入りさせてしまうには惜しいというコトで、こうして特典として収録されるコトになったんだそうな。

リテイクされたのは物語終盤のシーンだけだと思うんですが、特典Discには全編まるっと入ってます。で、これ観て(聴いて)みたら、なんというかほむらちゃんマジ悪魔。以前劇場で観たあとの感想として「暁美ほむらは悪魔になれるような娘じゃありません(『叛逆の物語』ネタバレ)」って記事を書いたんですけど、リテイクverだとほむらは悪魔に成りきれていないイメージなんですよね。でも、この 1st take verだと「ああ、こりゃ悪魔だわ」と素直に思えました。

台詞はまったく同じなんですけどね。ただ、最後に転校してきたまどかが円環の理たる自分を思い出そうとした時にも、リテイクverのような動揺が無く超然とした感じで。演技でここまでシーンの印象が変わるんだなぁと、改めて声優さん(ほむらのCVは斎藤千和)の力量に感服。

本編オーディオコメンタリーでの説明によると、最初のアフレコ時には最後のシーンはまだコンテ状態だったらしく、どういう絵になるかわからないまま収録したとのこと。んで、収録後にやっぱりほむらをもう少し「人間」として描こうという方向で絵が完成し、台詞もリテイクされたみたいですね。だから、1st take verは絵と台詞が合ってない感じになってると。

リテイク時には絵も完成していたようで、コメンタリーでの斎藤千和曰く、ほむらがまどかの髪にリボンを結んだあと涙を浮かべる場面を観て、そこからの逆算で演技の方向性を決めたそうな。確かに、あの涙にはほむらの人間としての心が凝縮されている感じしますね。

1st take verのまま『叛逆の物語』が公開されていたならば、『まどか☆マギカ』という作品はほむらちゃん大勝利で終了……という感じだったんでしょうが、それをリテイクしたというのはやはり「その後」の展開に含みを残すためですよね。

テレビシリーズはまどかが望んだ世界となり、『叛逆の物語』はほむらが望んだ世界となり、そしたらその次は……逆襲のキュウべえ……?

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