夏休み前の連戦、F1ハンガリーGP。
予選結果:
The Official F1 Website - FORMULA 1 PIRELLI MAGYAR NAGYDÍJ 2014
予選後ドライバーコメント:
The Official F1 Website - Headlines - Qualifying - selected team and driver quotes
予選後記者会見:
The Official F1 Website - Headlines - FIA post-qualifying press conference - Hungary
「もはや不運じゃ済まされない」ハミルトン
ハミルトンって、第7戦カナダGPまでは必ずフロントロウにマシンを並べていたんですよね。しかし、オーストリアGPのQ3で自身のミスによりスピンし、予選9番手という結果に。ここから、ハミルトンの予選での流れがおかしくなっていきます。
イギリスGPでは微妙なレインコンディションの中、Q3でこれ以上のタイムアップの可能性は無いと判断し、最終アタックを止めたところ後続車が怒濤のタイムアップを果たして6番手に沈む格好に。それでも、ここまではまだ自身のドライビングミスや判断ミスだった、とも言える状況でした。
しかし、前戦ドイツGPではブレーキディスクの破損によりQ1でクラッシュ、先に出していたタイムによってQ2には進出したものの、当然走るコトはできずにノックアウト。その後ミッション交換もあって予選20番手。
さすがにこれ以上悪いコトはないだろう、と思ったら、今回はなんとQ1でタイムを出す前にマシンから出火。マシンのリアセクションが火だるまになってしまい、ノータイムでQ1突破もできずに終わるという最悪の状況となってしまいました。
ハンガロリンクは抜きにくいコトで定評のあるサーキットですし、コース幅も狭いので追い抜きに結構なリスクを伴います。そんな場所で予選21番手に沈んだとなると、さすがのハミルトンも挽回は難しそう。
4戦連続で予選に失敗してしまっているハミルトン、「今や不運じゃ済まされないところまで来ている」てなコメントしてますね。
It's getting to the point where it's beyond bad luck now - as a team, we need to do better. Tonight, I need to somehow find the way to turn this into a positive for tomorrow, then build on that going into the race.
via: The Official F1 Website - Headlines - Qualifying - selected team and driver quotes : Lewis Hamilton
一方でロズベルグはしっかりとポールを堅持しているんだから、そりゃハミルトンもイライラが溜まっても仕方がないでしょう。今回のマシン炎上の原因はインジェクターからの燃料漏れというコトみたいですが、燃え方が激しかったためシャシー含め全取っ替えになるみたいですね。
にしても、先のドイツGPでのクビアトといい、2戦連続でこうした激しい車両火災のシーンを見ると、なんか不安になってきますね。エンジンの年間使用台数制限により、ギリギリまでエンジンを使っている影響とかもあるのかも知れませんが……。こうした火災に対するフェールセーフも、もう少しなんか考えた方が良いのでは……?
意外に速いウィリアムズ
ハミルトンのトラブルにより、2番手にマシンを並べたのはベッテル。ハンガリーみたいなコースはウィリアムズよりレッドブルの方が分があると思われただけに順当な結果ではあるんですが、意外なのは3番手に僅差でボタスが割り込んできているコト。
当然リカルドもベッテルに続くと思っていただけに、このウィリアムズのポジションは驚き。ていうか、ボタス自身驚いているようですけど。
We are maybe a little surprised. We knew Red Bull were going to be really quick here, also Ferrari, and Mercedes like always.
via: The Official F1 Website - Headlines - Qualifying - selected team and driver quotes : Valtteri Bottas
しかしまー、マッサがボタスよりコンマ9秒近く遅い6番手に留まっているところを見ると、ウィリアムズというかボタス自身が乗れているというコトなのかも。ここんとこの連続表彰台と、ドイツGPでハミルトンを抑えきったコトが良い自信に繋がっているんじゃないですかね。
ていうかマッサさんやべえよ、どうするよ。ここまで来るとボタスの勢いは本物だよ。今年一番の成長株はぶっちぎりでリカルドかと思いましたが、ここんとこのボタスの躍進はホントに目覚ましい。
慢心したフェラーリ
そういや、Q1ではハミルトンのみならず、ライコネンまでノックアウトされるという番狂わせが起きてましたね。しかもトラブルが起きたワケではなく、ピットの判断ミスで。
Q1の状況を振り返ってみると、セッション残り2分の段階でライコネンの持ちタイムは1:26.792で15番手。16番手には0.159差でヒュルケンベルグがおり、最終アタックで確実にタイムアップが見込まれる状態。つまりこの段階で、ライコネンはQ1通過ギリギリの状態。
しかし、ハミルトンとマルドナドはマシンストップによりタイムを更新できる状態になく、あと残るはケーターハムとマルシャ。この時点で17番手の可夢偉との差は0.990、ビアンキとは1.014の差があったため、「行かなくても問題無い」と判断したんでしょうね。
ところが、ビアンキが最終アタックで1:26.728と1秒以上のタイムアップを果たしたため、ライコネンはノックアウトゾーンへ。まーこれはむしろビアンキすげーという話でもあるんですが、しかしさすがに16番手というギリギリの状態に置かれているコトを考えると、出すべきでしょうこれは。ましてや、予選順位の影響が大きいサーキットなんだし。
もっと身も蓋もないコト言うと、フェラーリはビアンキをもっと警戒すべきだったでしょう。今回なかなか歯車が噛み合わず可夢偉の後方に居たワケですが、これまでの傾向を見ると大概は可夢偉のタイムを程よく上回ってくるドライバーなんですから。
チームトップの首をすげ替えてなお混迷の度合いを深めている感のあるフェラーリ、ミハエルが来る前の暗黒時代が再びやってきたような感じもしますね。
そのほか
今回はQ3の頭で一雨降って、マグヌッセンがクラッシュして赤旗中断なんてシーンもありましたね。ロズベルグがコースオフしたシーンもビビりましたが、マグヌッセンはさらに勢い良く行きすぎました。この辺は「これが若さか……」といったところで。
マグヌッセンのマシンもダメージが大きかったみたいで、シャシーとギヤボックスを交換しハミルトン共々ピットレーンスタートとなるようです。
Mercedes’ Lewis Hamilton and McLaren’s Kevin Magnussen will start Sunday’s race in Hungary from the pit lane after both their cars sustained damage in qualifying severe enough to necessitate chassis changes.
決勝はこのままだとロズベルグのワンサイドゲームになってしまう可能性もありますが、ここんとこのメルセデスのトラブル率を考えるとどんでん返しの可能性も否定はできません。
ボタスの初優勝とかあったらアツいよねー(ハンガリーでは2003年のアロンソ、2006年のバトン、2008年のコヴァライネンがF1初優勝を飾っている)。