大須は萌えているか?

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F1[15] ベルギーGP 決勝

トップの2台は鉄板でしたが、なんかいろいろあった気もするF1ベルギーGP決勝。

ハミルトンは盤石

強かったですねハミルトン。……くらいしか言いようが無い、相変わらず見事な勝ちっぷりでした。ロズベルグが注目のスタートでいきなり順位を落っことしたおかげで、随分とラクになりましたしね。まーロズベルグがすぐ後ろに居ても負けなかったでしょうけど。

唯一、オープニングラップで後ろに驚異の直線番長・ペレスが詰め寄ったシーンは「おおっ」と思いましたが、やはりフォースインディアにはレースを通してメルセデスGPを追い回すだけの力がありませんでした。ていうかホントに直線だけバカッ速いんだよなぁ……。

夏休みの間はバカンスを楽しむハミルトンの姿がアレコレ報じられたりしてましたが、その一方で体重を落としてしっかり体を作って、休みボケなど微塵も感じさせない強さで勝つっていう。今がキャリアのピークって感じしますね。しかしそろそろ、彼を本気で苦しめるチャレンジャーが出てきて欲しいところでもあります。

フランスF1史の終わりと始まり

そして今回一番盛り上がったのは3位争いでしょう。決勝でも速さをキープしていたグロージャンが終盤ベッテルを追い上げ、このままゴール直前でのバトルか……と思われた矢先、ベッテルの右リヤタイヤがバースト。劇的な結末でグロージャンが3位表彰台を獲得。

ロータスにしてみれば、チームの財政が大変厳しく、ルノーにチームを売却するという話で持ちきりになっている中での表彰台。グロージャンも思わずうれし涙を流していたようですし、ベッテルは気の毒でしたがこれはこれで良かったのかな、と。

そして、決勝レースを終えたあとの今日になって、かつて中堅フランスチームとして名を馳せたリジェを創設したギ・リジェが他界したとのニュースが。

Guy Ligier, 1930-2015

ギ・リジェはかつてのフランス大統領フランソワ・ミッテランとのパイプを持ち、ジタン(たばこブランド)やらエルフ(今でもお馴染みのオイルブランド)といったフランス国営企業のスポンサードを獲得したり、90年代にはルノーV10エンジンを搭載したりと、リジェは良くも悪くもフランスを代表するチームでしたね。

フランスに於けるF1の歴史がひとつ終わり、そしてグロージャンルノーがまた新しい歴史を作っていくんでしょうか。なんだか偶然とは思えぬタイミングでした。

ピレリまた爆発した

にしても、ベッテルのタイヤバーストはまた新たなピレリへの疑念を呼び起こしてしまうのかも知れません。なにせロズベルグも金曜フリー走行でタイヤバーストを経験しており、しかもベッテルと同じ右リヤタイヤ。

そしてピレリは2013年イギリスGPでタイヤバースト祭を開催してしまった前科もあり(⇒ F1[13] イギリスGP ピレリタイヤはなぜ爆発したのか)、「またか!」と思われてしまうのもやむを得ないところではあります。オマケに、ベッテルはぶち切れて体重測定も拒否して帰っちゃったみたいですし。

ピレリフェラーリの1ストップ戦略に原因があるとし、ロズベルグの件とは無関係であると主張している模様。

「われわれとしては2回から3回ストップの戦略が基本だと考えており、大多数がそうしていたはずだ。だが、彼らは1ストップで行けると考えた。摩耗の限界は40周程度と示唆されているが、それはあくまで示唆であり、レースコンディションによって変わりうる。レースに含まれるいくつかの要因によって、必ずしも正確なデータではないこともある。他のチームは明らかに異なる方向性を選んでいた」

タイヤ摩耗が28周前後で訪れる可能性をピレリはチームに知らせていたのかと尋ねると、彼はこう答えた。「私の知るところではない」

via: ピレリ、「ベッテルはタイヤを酷使しすぎた」 | Ferrari | F1ニュース | ESPN F1

一方で、フェラーリのアリバベーネおじさまは「ピレリのエンジニアは事前に1ストップ作戦のことを知ってたけど、なんも言わんかった」と言っているようで、事態は混迷気味。

また、アリバベーネはレース前もレース中も、この戦略に対してピレリが警告してくることはなかったとも明かしている。

「われわれにはエンジニアがいるし、すべてのチームにピレリからエンジニアが来ている。ならば、このエンジニアは何をしているというのだ? 別にただ突っ立っているためにいるのではない。タイヤをチェックし、あらゆる走行を確認し、チームにデータを与えるためにいるのだ」

「警告は一切なかった。その紙をお見せしても構わない。われわれにはタイヤをチェックして確実にするエンジニアがいる。パルクフェルメからマシンが戻り次第すぐにチェックし、より明白なアイデアを得るつもりだ」

via: 1ストップ戦略は正しかったとアリバベーネ | Ferrari | F1ニュース | ESPN F1

結局2013年の爆発祭の時も、ピレリからしっくりくる説明は無かったんですよねぇ。ピレリは1セットのタイヤで走行できる距離に制限を設けるべき、と2013年に要望を出したものの、それは却下されたと言ってます。プライムタイヤでレースディスタンスの50%、オプションタイヤで30%を上限とする、という提案だったみたい。

Referring to their 2013 suggestions, Pirelli stated: “The proposal put forward a maximum distance equivalent to 50 percent of the Grand Prix distance for the prime tyre and 30 percent for the option. These conditions, if applied at Spa, would have limited the maximum number of laps on the medium compound to 22.”

via: Pirelli: Rules, not teams, should control stint length

しかしあれですね、コレだとプライム+オプションでレースの80%までしか走れないコトになり、1ストップ作戦が完全に成立しなくなっちゃいますね。これは確かに賛成したくない。タイヤ戦略の幅をかなり狭めてしまいますし、チームにとっても観客にとっても面白くない。

そもそもがこの提案は却下されているワケで、「この提案を受け入れないからこうなった」みたいな言い分はよろしくないのではないかと。ブリヂストンはこんな爆発するようなタイヤ造ってなかったワケですし。ましてやライバルメーカーが居ない、ワンメイク状態ですしねぇ。

今回もまたピレリが筋の悪い言い訳をしちゃってる時点で、またこの問題は尾を引きそうな気がします。……次戦は超高速のモンツァですけど、大丈夫だよね……?パラボリカでタイヤ爆発したらシャレにならんですよ?