大須は萌えているか?

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F1[16] 中国GP 決勝

スタート直後の混乱でいろいろ大変なレースだったわりに、リタイヤゼロという不思議なレースでした。F1中国GP決勝。

6れんしょお

予想されたコトではありますが、ロズベルグがレースの流れを完全に支配して開幕3連勝のハットトリック。昨年から数えると、6連勝というところまで記録を伸ばしてきました。

しかしまー、スタート直後からロズベルグのライバルが勝手にどんどん自滅してってくれるという、ロズベルグにしてみるとあまりにも出来過ぎたレースだったんじゃないですかね。スタート直後の1コーナーでフェラーリの同士討ちが起きてベッテルライコネン共に転落。スタートで先行して見せたリカルドは程なくしてタイヤバーストに見舞われ緊急ピットイン(さらにその後のセーフティカー出動でさらに順位を失う形に)。

ついでに言うと、最後尾スタートだったハミルトンもスタート後の混乱に巻き込まれてフロントウイング脱落、これまたタイムを大幅に失うコトに。そんなワケで、ロズベルグが頑張らなくても特に問題が無かったというなんだかな展開でありました。

過去6連勝以上の記録を達成したドライバーは3人しかおらず、アルベルト・アスカリミハエル・シューマッハ、そしてもちろん最多連勝記録を持っているのはセバスチャン・ベッテルの9連勝。ロズベルグはどこまで行けるでしょうね?

さらに言うと、ロズベルグはこれで通算17勝目となり、ワールドチャンピオンを獲得していないドライバーの勝利数としては「無冠の帝王」ことスターリング・モスを超えて歴代1位になった模様。そう考えるとロズベルグすげえな。

Shanghai stats - Rosberg writes another chapter in the record books

ただね、ここまで勝ってても「ロズベルグがチャンピオンになれる」と言い切れないモノが……。この長いシーズン、これだけの好調がいつまでも続かないでしょうし、当然ハミルトンの巻き返しがあるでしょう。それに、いざシーズンも後半戦に入って、タイトルの可能性がそれなりの現実味を帯びてきたとき、ロズベルグはそのプレッシャーに耐えられるのか?という疑問はどうしても拭えないんですよね。

しかしまー、そういう意味では開幕からハミルトンがぶっちぎるよりもロズベルグにぶっちぎってもらった方が、後半の展開が楽しみという言い方もできるんですけど。

ベッテルとクビアトのアレ

一人だけトップを悠々と走っていたロズベルグはさておいて、今回のレースで一番の話題となったのはスタート直後のベッテルとクビアトの一件でしょうね。

Race: Chaotic opening laps as Ferraris collide(動画)

1コーナー中央付近のラインを通っていたベッテルのインに、後ろから来たクビアトがズバッと切り込みベッテルはイン側に行き場を無くし、アウト側に居たライコネン接触してしまったという流れ。

正直こりゃレーシングインシデントだろうと思うし、実際どちらかにペナルティが科されるというコトも無かった(審議対象にもならなかった)ワケですが、ベッテルがこの一件でかなり頭に血が上っており、無線でクビアトを批難したり、表彰台控え室でクビアトに食ってかかったりしちゃったもんだから妙に話題になっちゃいました。

当のクビアトは涼しい顔でベッテルの詰問を受け流していましたが、視聴者的にはここ上海が東部戦線と化すのかとヒヤヒヤしました(?)。クビアトは「リスクを取らなきゃ表彰台は獲得できない」「これからもリスクを取り続けるし、みんなそれを期待してるでしょ!」みたいなコメントしてますね。

“When the emotions are hot, you talk about it - but in our case to get on the podium you have to take risks. It was an essential move for me and it paid off.

“We can talk for hours about it but I am on the podium; if I didn’t go for it who knows where I would be. I will keep on risking like this and everyone should expect that!”

via: Vettel moves to defuse Kvyat row

クビアトの言うコトは正論ですし、今回の1コーナーでクビアトが取ったリスクは正当なものでしょう。ベッテルは「魚雷のようだ」と表現してましたが、インに飛び込むタイミングが遅すぎたワケでも無いですし、曲がりきれないワケでも無かったですし。

ベッテルにしてみたら、クビアトの動きに虚を突かれた、そして結果として仲の良いチームメイトに衝突し、ライコネンのレースを台無しにしてしまったというコトもあって頭に血が上ったんでしょう。それだけ、1コーナーでのクビアトの動きがキレていたというコトだと思いますし、開幕から不本意な流れが続いていたクビアトがここに来て目覚めたか!という感じ。

にしても、今年のレッドブルは想像以上に戦えてますね。もっと苦戦するもんだと思ってたんですが。スタート後のバーストで順位を大きく落としたリカルドも、そこから追い上げに追い上げての4位フィニッシュですしね。そのリカルド、今季のフィーリングは2014年よりも良い、とも。

“Every weekend we’ve shown a strength we didn’t think we would have - we have potential, and [the season] definitely feels more like 2014,” said Ricciardo. “Really promising for sure.

via: Ricciardo: China recovery ‘best of my career’

パワーユニット自体は決して良くは無さそうなんですけどね、このレッドブルの好調ぶりはどこまで続くのか、興味深いところです。

そのほか

マクラーレン・ホンダは決勝では伸び悩みましたねぇ。2台とも第2スティントからミディアムを履くという作戦を取りましたが、そのミディアムでペースが伸びず不発に終わった感じ。ソフトでのペースもそこまでアドバンテージが無さそうだった故の作戦でしょうが、余計に裏目に出ちゃった?

予選の雰囲気は悪く無かったんですが、レースペースには課題を残しちゃいましたね。

そういや、開幕から好調ぶりを見せつけていたハースのグロージャンは今回は19位と不発。スタート後エリクソン接触したのが響いたようですが、予選からいまひとつ存在感が無かったですね、今回は。ハースとしてはここからがチーム力を試される場面なのかも。

あ、あと今回は後ろから迫るハミルトンをなんやかんやで最後まで抑えて6位フィニッシュしたマッサがベテランの味を発揮しててステキでした。もちろんハミルトンのマシンもガタガタだったでしょうが、今季のウイリアムズでメルセデスワークスを抑えるのはなかなか骨の折れる仕事だったんじゃないでしょうか。