大須は萌えているか?

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劇場版マクロス『愛・おぼえていますか』『イツワリノウタヒメ』『サヨナラノツバサ』のBDをまとめ買いした話

GWの連休中にNHKBSプレミアムで放送されていた『全マクロス大投票』を観ていたら、ついそのままAmazonで衝動買いしてしまったBDがこちらになります。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか [Blu-ray]
長谷有洋,飯島真理,土井美加,神谷明,速水奨
バンダイビジュアル
劇場版 マクロスF ~イツワリノウタヒメ~ [Blu-ray]
中村悠一,遠藤綾,中島愛,小西克幸,神谷浩史
バンダイビジュアル
劇場版 マクロスF ~サヨナラノツバサ~ [Blu-ray]
中村悠一,遠藤綾,中島愛,小西克幸,神谷浩史
バンダイビジュアル

以前書いたマクロスの記事(⇒ 個人的な『マクロス』の思い出)でも触れたように、BD・DVD含めて自分が持っているマクロス作品って『マクロスF』のテレビシリーズだけでして、そしてFの劇場版はそもそも未見でした。「劇場版ってテレビの総集編でしょ?ほんなら観なくていいや」的な感じで。その後、実は内容の大半が新作というコトは聞き及んでいたので、そのうち観るべきかなーとは思っていたんですが。『愛・おぼえていますか』は観たコトあるんですが、もう何年前に観たのか覚えて無いくらいのレベル。んで、Amazonで検索してみたら、これらのマクロス劇場版作品は『マクロスΔ』の製作記念として2015年末から2016年にかけて廉価版が発売になっていたので、勢いで買ってしまった次第。

廉価版とはいえ新録のオーディオコメンタリーが入っているのが嬉しいところでして、劇場公開当時から時間が経ったが故のちょっとくだけた雰囲気が良い味を出しておりました。それぞれ4部構成になっており、コメンタリー出演者が入れ替わっていくのも賑やかな感じで良いですね。マクロスF イツワリノウタヒメサヨナラノツバサのコメンタリーはシェリル役の遠藤綾とランカ役の中島愛が出ずっぱりでホスト役を務め、各パートでゲストを迎えてゲームコーナーまで用意しているという、アニラジのような内容になっておりましたが。

三作品まとめて観てみると、ヘタにテレビ版のダイジェストをやられるよりも、こうして劇場版の尺に合わせて設定を組み直すスタイルのほうがいいなーって思いますね。違う作品として楽しめつつも、根幹となる作品のテーマは共通なので、テレビ版の内容を思い出すトリガーにもなるっていうか。一粒で二度美味しい的な。

愛・おぼえていますか』は一本の劇場作品の中に初代マクロスの要素を詰め込んでいるので、フォッカーの殉職シーン(?)がさっくりし過ぎてしまっているといった不満はありますが、CGも無い時代のアニメとしては破格の作画は今見てもスゴイですねえ。『全マクロス大投票』で紹介されていたtweetで、「当時アニメーターを目指していたが、冒頭のマクロスの鬼のような描き込みをみて挫折した」みたいなのがあったと思うんですが、あの辺のカットって、当時アニメーターとしてイケイケだった庵野秀明が手がけたものですよね確か?そりゃ比べちゃいけないというか……。てか、その相当な手間が掛かっているであろうシーンを、映画始まってすぐのところに持ってきているのもスゴイですね。とにかくツカミで観客をビビらせてやるんだ、みたいな野心を感じる。

あと、『愛・おぼえていますか』で感心したのが、地球に戻ってきた輝と美沙が親密になりキスをするシーンのあと、夜明けにマクロスが遅れて地球にやってくる場面。物音に気づいた輝が建物の入口に立って注意しているところに、奥から美沙が上着のファスナーを上げ、髪をかき上げながら出てくるんですね。このわずかな仕草で、2人の親密さが行き着くところまで行ってしまったコトが理解できるという、見事な描写だなと(?)。

愛・おぼえていますか』を観たあとでマクロスFの劇場版2作品を観ると、さすがにCGの偉大さを感じるワケですが……しかし、マクロスFってテレビ版の時点でかなり映像のクオリティ高かったですよねえ(だからBD集めちゃったんだけど)。なお、河森監督がマクロスFまでテレビ版の監督をやらなかったのは、コメンタリーでご本人曰く「自分が監督やると無茶な要求しちゃうんで」だそうで。ただ『マクロスゼロ』等でCGのテストをして、「(テレビ版でも)そろそろできるな」という感触を得たうえで、マクロス25周年の集大成として「全部入り」のテレビ版を含めたマクロスFの監督をしたと。そう考えると、あのクオリティも頷けるところ。

もちろん、劇場版ではテレビ版をさらに上回る映像のクオリティに仕上がっている(特にライブシーン)ワケですが、テレビ版にあったランカの「抱きしめて、銀河のはちぇまれ!」に代表される彼女のたどたどしさが影を潜め、中の人の芝居が洗練されてきたのがある意味「惜しい」と感じてしまったりもします。ああ、マクロスシリーズがヒロインに新人声優を起用する理由というのはまさにコレなんだなあ、と納得する点でもありますね。

こうなると、マクロスΔの劇場版『激情のワルキューレ』も観ておくべきだろうか……これも未見なので。ΔはFほどはピンと来なかったんですけどね、ただこうしてマクロスシリーズのテレビ版と劇場版が別物であることを目の当たりにすると、観といても損はないかなーって気がしてきた。