モナコらしいっちゃモナコらしいんですが、「決められたコースを、誰よりも速く走り抜ける」というレースの本分とはちょっとズレた何かを見せられているような感じは否めません。しかしここはモナコ・モンテカルロ、抜けない、絶対に抜けない……ということで、モナコGP決勝のお話。
- 決勝結果: FORMULA 1 TAG HEUER GRAND PRIX DE MONACO 2025 - RACE RESULT
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- 決勝後各チームコメント: What the teams said – Race day at the 2025 Monaco Grand Prix | Formula 1®
- 決勝後記者会見: FIA post-race press conference – 2025 Monaco Grand Prix | Formula 1®
レッドブルが角田を壁役にするのでは、なんて話をしていたら、この作戦を真っ先に仕掛けてきたのはレーシングブルズのほうでした。レッドブルは角田にスタートからソフトタイヤを履かせ、1周目にタイヤ交換を行う作戦。ただ、結局隊列に追いついた角田を待っていたのは大渋滞でした。
レーシングブルズの作戦が上手く機能する雰囲気だったので、ウィリアムズもそれに倣って「通せんぼ作戦」を敢行。これによりメルセデスの2台も完全に身動きが取れない状況に陥りましたが、ウィリアムズ代表のジェームズ・ボウルズが元メルセデスでトト・ウォルフの下で働いていたコトを考えると、なかなかの下剋上っぷりです。しかし、ボウルズはレース中にちゃんと詫びを入れていたようで、そこは抜かり無かった模様(?)。
しかしまあ、タイヤ交換が1回だろうが2回だろうが、モナコではこうした作戦が有効なんだから仕方ないですよね。レースの本分からハズれようがなんだろうが、それがルール的に許されており、有利な結果に繋がるのであれば躊躇なく採用するのがレーシングチームというもの。しかし、ウィリアムズの2人はレース後のコメントで「こんなことやりたくは無かった」的なことを言っており、レーシングドライバーとしてはやはり複雑な心境のようです。
一方で、ずっとアルボンに抑えられていたラッセルは意図的にシケインをショートカットしてアルボンの前に出て、「ペナルティ上等」みたいなことを無線で口走っちゃったものだから、タイムペナルティより重いドライブスルーペナルティを食らう羽目に。いやほんとなんなんでしょうかこれは。レース後、アルボンはラッセルに晩飯を奢ったらしいですが、まあこれはいい話……なのか?
ともあれ、モナコはやはり予選がなによりも大事、というコトが再確認された感じですね。8番手スタートだったオコンはしっかりと7位フィニッシュを決めているワケですし。トップ4台はそのままの順位でフィニッシュしたワケですし。でも、最後のノリスとルクレールのバトルは見応えありました。あれでもし最後に赤旗が出てフェルスタッペンが優勝していたらどっちらけでしたが、ちゃんとノリスが勝って良かった。
そういや、予選後はチームに対する不満を滲ませていた角田ですが、決勝後のコメントでは「この状況は自分が招いたこと」みたいな感じになっているのがちょっと気になりましたね。ホーナーかマルコ爺さんにたしなめられたんでしょうか。角田にとっては悪い流れが続いてしまっていますが、どこかで上昇のきっかけを掴んでほしいところ……。