大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

夏の青函連絡ツアー その4:城と美少女

この記事は、夏の青函連絡ツアー その3:渓流と山と遺跡とラーメンの続きです。

弘前城

この日で旅行は最終日、愛知県まで戻らなくてはなりません。ただ、新幹線は午後3時くらいのを押さえていたので、昼過ぎまではぶらぶらする時間があります。そんなワケで、青森市からちょいとだけ東北自動車道を使って南下し、弘前城に行ってみるコトに。

東北地方では唯一、江戸時代の天守が現存しているお城。最初に建てられた天守は5重の建物だったそうですが、それは1627年に落雷で焼失。その後1810年に再建されたのが、この天守なんだそうな。江戸時代のかなり末期なんですね。

現存天守は3重の建物となっており、近くで見てみるとかなり小さい印象。

そもそもが江戸時代の大名は武家諸法度において新たな築城が禁じられていたコトもあり、これも「天守」ではなく「櫓」の改修名目で建てられたそうで。そう考えると、このサイズもやむなしといったところでしょうか。

天守3階から見た岩木山。眺めは悪くないです。

天守のサイズはこぢんまりとしてますが、城内の門や堀、石垣などは築城当時からの姿を留めているものも多く、そういう意味じゃ鉄筋コンクリ製の名古屋城より歴史を感じられるお城ですね。

桜の季節なんかは良い眺めでしょうねぇ……めっちゃ混むんだろうけど。

『美少女の美術史』

弘前城を見物したあとは青森市内に戻り、青森県立美術館へ。なぜそんな柄にも無く美術館なんて来てしまったかといえば、ここで『美少女の美術史』なる企画展が開催されていると知ってしまったため。

この企画展を知ったのは、前日にたまたま寄った三内丸山遺跡の建物内に告知のポスターが貼ってあったからなんですけどね。県立美術館は遺跡のすぐ隣なんですが、その日は休館日だったみたいなので、こうして翌日出直したワケです。

そもそも青森県立美術館自体が特徴的で面白い建物だったんですが、この企画展の内容もかなり興味深い。

本展覧会は、「美人図」が盛んに制作された江戸時代から、「少女」が誕生した近代を経て、「美少女」が日々メディアをにぎわす現代にいたるまでの様々な少女のイメージを探索し、私たち日本人が少女という存在に何を求めてきたかを振り返るものです。出品作品は江戸の花ともいうべき浮世絵から、近代に隆盛した美人画、少女たちの心をとらえた叙情画、さらには戦後文化を象徴する漫画やアニメ、フィギュアといったキャラクター文化、そして現代社会における少女イメージを表したアート作品まで、多岐にわたるラインナップとなっています。

via: 美少女の美術史 » 展覧会概要

展示物を見ると、ホントに江戸時代の絵画からすーぱーそに子や艦これ島風のフィギュアに至るまでが一堂に会しており、それぞれの時代、そして絵画・人形・アニメといった異なる媒体を通して表現された多種多様な「少女」に圧倒されます。

「美少女キャラ」というと現代のオタク的なものの象徴みたいに捉えがちですが、この展示を見ると現代の美少女キャラは決して突然出現したものではなく、それこそ数百年の歴史の中から生まれてきたものであるコトを実感できますね。江戸時代の美人画にも「萌え」はあるんですよ、ええ。

アニメ・マンガの展示も結構あり、戦闘美少女ものの源流として『リボンの騎士』、『魔法使いサリー』と並ぶ魔法少女ものの火付け役として『ひみつのアッコちゃん』、80年代の魔法少女中興の祖として『ミンキーモモ』、『クリィミーマミ』、80年代の「かわいいエロ」の象徴として『ななこSOS』……という感じで、年期の入ったヲタの方も満足いただけるのではないかと思われます。

個人的には、小説家の澁澤龍彦がコレクションしていたという「Portrait d’une petite fille」という人形に得も言われぬインパクトを受けました。思わず、この人形が表紙を飾っている澁澤龍彦の著作を買っちゃったくらい。

少女コレクション序説 (中公文庫)
リエーター情報なし
中央公論新社

まだちょろっと読んだ程度なんですが、それだけでも「あ、この人ガチや」と言わざるを得ません。ただ、アニメやマンガで描かれる美少女という存在を考える上でも、非常に示唆的な本だと思います、コレ。

展示を見終えたあと、ミュージアムショップでカタログまで買っちゃったんですが、これもAmazonで買えるみたいです。

美少女の美術史 -浮世絵からポップカルチャー・現代美術にみる
リエーター情報なし
青幻舎

ちなみにこの企画展は青森県立美術館のあと静岡県立美術館(2014/9/20~11/16)、島根県立石見美術館(2014/12/13~2015/2/16)でも開催されるコトになっているので、「美少女」というキーワードにティンと来た方はぜひ。オススメです。

そして最後に、美術館の屋外に展示されている「あおもり犬」を記念撮影。なんかファイナルファンタジーでこんな敵居ませんでしたっけか。

そして帰路へ

美術館で美少女を堪能していたら程よい時間になったので、レンタカーを返却し帰路へ。昼飯を食べていなかったので、新青森駅で新幹線待っている間に青森の駅弁の定番、帆立釜めし弁当を食べました。

そして帰りの東北新幹線グランクラスを奢ってみました。一度乗ってみたかったのよね。

通常の指定席より1万円高いだけあって、そのシートの広さはびっくりするレベル。足を放り投げてもまだスペースあるし、リクライニングも細かく設定できて全然疲れません。

車内では軽食がサービスされ、飲み物はアルコール含め飲み放題。ビールを頼んだらプレミアムモルツが出てきました。ステキ。

軽食は和洋どちらかを選ぶコトができ、和の方を頼んでみたらこんな感じ↓でした。

たまの旅行、1万円のプラスでこれだけ快適ならアリかな。さすがに頻繁に使うのはアレですけど。グランクラスを堪能したあと、東京で東海道新幹線に乗り換え、ふつーの指定席に座ったらあまりの狭さとシートのショボさに驚きました。いや、いつもは何の不満も感じてなかったハズなんだけど……。

今回の旅行は天気にはイマイチ恵まれませんでしたが、少なくとも主題のひとつであった青森のムー的スポット巡りはできたし、美術館で思わぬ展示に巡り会えたし、結構楽しめました。G/Wは東海道・山陽・九州新幹線で鹿児島まで行き、今回は東北新幹線で青森まで行ったので、新幹線の南北縦断もできましたし。北海道新幹線が開業したら、今度は札幌まで行きましょうか。

大湊の自衛隊に行けなかったのが心残りですが、それも含めそのうち東北旅行は仕切り直したいですね。遠野もまた行きたいんだよなぁ(京極夏彦の『遠野物語』読んだせい)。他にも、東北のムー的スポットや珍スポットをご存じの方がいらっしゃいましたら、教えていただけると嬉しいです。