大須は萌えているか?

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茨城と少しだけ栃木ツアー ~ツインリンクもてぎ編

※画像多め。この記事は茨城と少しだけ栃木ツアー ~袋田の滝・旧上岡小学校編の続きです。

愛知⇒大洗(1泊)⇒大子町(1泊)⇒再び大洗……と巡ってきて、そのあとの話。大洗を存分に堪能したあと、もうひとつ立ち寄ってみたかった場所へと行きます。栃木県茂木町にあるツインリンクもてぎ。一度も来たことなかったんで。……にしても、結構な山の中にあるんですねここ。鈴鹿が都会に見える。

ただこの時にレースとか開催されていたワケでは無く、主な目当てはホンダコレクションホールです。鈴鹿などでもホンダのF1マシンを見る機会はありましたが、まだ見たコト無い車両もたくさんありますしね。

コレクションホール1F

中に入ってみると、いきなり目の前にRA272(ロニー・バックナム車)。

隣にはS500。

そして発電機。

あえてここに発電機を並べておくというのがまた面白いところ。クルマ・バイクにとどまらないんですね、ここのコレクションは。

そしてその直後、中庭にてバイクのデモ走行が行われるというアナウンスがあり覗いてみるコトに。バイクは全然わかんないですけど。

デモ走行を行っていたのは3台のCBR。なんでもCBRという車種が世に出て今年で30周年となるそうで。その30年前にリリースされたのがCBR400F。「REV」とい可変バルブ機構を備えていたそうで、これVTECのご先祖様になるんですかね?(VTEC初搭載の市販車は1989年発売の2代目インテグラ

ぱっと見で一番良いなぁと思ったのはCBR250RRってやつ。排気量が小さめのせいもあるのか、エンジンも身のこなしも軽快な感じが楽しそう。

一番の重量級がCBR900RRファイアーブレードというやつ。これはなんか「直線番長」って雰囲気でした。

エントランスの奥にはホンダの燃料電池車の試作型であるFCXコンセプトやアシモシリーズなんかが展示されているんですが、なんかメタルギアソリッド4の月光みたいなのがたくさん居てビビりました。

コレクションホール2F

コレクションホールは3階まであり、2階が市販車(4輪・2輪)、3階がレース車(4輪・2輪)の展示となってます。そんなワケで、まず2階へ。2輪は正直あんまりわからんのでアレですが、しかしホンダといったらカブだよな!

4輪市販車コーナー入ってすぐのことにあったのがT360。ホンダ初の4輪市販車。モーターショーに出品したS360のエンジンを流用したため軽トラのくせに(失礼)日本初となるDOHCエンジン搭載。それもまたホンダらしい話ではあります。

こちらは実物を初めて見たS600クーペ。オープンの印象が強いのでぱっと見違和感ありますが、これはこれでアリかも。にしても、S500~S800のデザインは古さを感じないですね。

そしてこれもなかなかそそるデザイン、バモスホンダ。今のバモスのご先祖様ですね。そもそもドアが無いという男らしさがたまりません。側面衝突されたら一発アウトっぽいところがまた。荷物置きっ放しでクルマ離れたら速攻で盗まれますねぇ。でも下駄車としてこういうの1台あったらすげー楽しそうなんですけど。

しかしコレどっかで見たコトあるようなデザイン……と思ったら、ウルトラマンタロウに出てくるラビットパンダのベース車両なんですね。ちょっと魔改造されすぎではありますが。

本田宗一郎が水冷ではなく空冷エンジンにこだわり続けたのは有名な話ですが、その象徴ともいえるのがホンダ1300。

ホンダの創業者であり、1300開発の陣頭指揮を取った故・本田宗一郎は、「水冷だってラジエターを空気で冷やすんだから、結局は水を媒介とした空冷にすぎない。だったら最初から空冷のほうが合理的」という信念のもと、F1マシン(「RA302」)にまで空冷エンジンを持ち込んだ熱烈な空冷原理主義者だった。よって1300のエンジンも空冷であろうことは事前に予想されていたわけだが、前述したとおりDDAC(デュオ・ダイナ・エア・クーリングシステム=一体式二重空冷)と呼ばれる凝りに凝ったその構造は、世界でも例を見ないものだった。

via: 第33回:『偉大なる失敗作』ホンダ1300(196901972)(その2) | webCG

このDDACという構造はかなーり複雑なものだったらしく、「シンプル・軽量・ローコスト」という空冷のメリットをも失ってしまっていたみたいで。その後アメリカのマスキー法に端を発する排ガス規制の中でホンダも水冷にシフトせざるを得ず、その波に押されるかのように本田宗一郎は社長の座を退くコトに。そんな時代の転換点を象徴するようなクルマなんですよねコレ。

そしてそのすぐ隣にCVCCエンジンを搭載したシビックが展示されているというのがまた。マスキー法の規制値を世界で最初にクリアした水冷エンジン

……と、その辺の昔の話はさておき、私の世代だと一番ピンとくるのはTYPE-Rですけどねやっぱ。

しかしまー、初のDOHC搭載車T360から変態空冷エンジン搭載のホンダ1300、一転して世界で初めてマスキー法をクリアしたCVCC搭載のシビック、レーシングエンジンさながらの吹け上がりを見せるNSXから始まるTYPE-Rシリーズ……と、ホンダはやっぱりエンジンあってのメーカーなんだなぁとつくづく思います。

コレクションホール3F

そしていよいよレーシングマシンが展示されている3F。4輪コーナーの入ってすぐのとこにはRA272(リッチー・ギンサー車)。ホンダにF1初優勝をもたらしたマシンですね。

ホンダが初めて世に送り出したF1マシンRA271と、その際お手本にしたというクーパーT53もあります。

ていうか他にRA273、RA300、RA301、RA302と第一期F1マシンそろい踏みだったんですけど。

中でも印象的だったのは、空冷V8エンジンを搭載したRA302。空冷なのはもちろん本田宗一郎の号令によるもの。しかしデビュー戦となる1968年フランスGPで、ドライブしていたジョー・シュレッサーがクラッシュ、マシンは炎上しシュレッサーは死亡するという悲劇のマシンとなってしまいました。

事故の原因はちょい濡れの路面でマシンがコントロールを失ったコトにあり、おそらくはマシントラブルではないのだろうなと。その後もRA302の開発は続けられたみたいですが、あとはイタリアGPのプラクティスを走ったのみ。そして68年いっぱいでホンダは第一期F1活動を終了。

RA302空冷化の最大の狙いは当時重いとされていたホンダF1マシンの軽量化にあったとされますが、いかんせんF1のエンジンを空冷でなんとかするという発想には無理がありすぎたとしか……。

そしてフロアの奥には第二期F1活動のマシンたちが。まずはスピリット・ホンダ201C。初めて見た。F2マシンをベースにF1用に改造したマシンですね。83年途中からF13参戦しまともな成績を残すコトは無かったマシンですが、ここからあの第二期のホンダ最強伝説が始まったと思うと興味深いマシンです。ドライバーはステファン・ヨハンソン

83年最終戦からホンダはウィリアムズにエンジンを供給し、第二期F1活動において初勝利を挙げたのがウィリアムズFW09。しかし今日のF1マシンから見ると、信じられないくらいアバウトな造形です。当時のF1はターボ全盛、「エンジンパワーがあってナンボや!」みたいな時代であり、エンジンがマシンの主役といっても良い時代。あと83年といえばウィングカーを規制するフラットボトム規定が導入された年でもあり、各チームマシンの造形については手さぐり状態でもあったんでしょうね。

これが87年のチャンピオンマシン、FW11Bになると少しはスッキリした感じに。

88年からはマクラーレンにエンジン供給するようになり、アイルトン・セナと共にホンダの絶頂期となるワケです……が、今回マクラーレン・ホンダで展示してあったのは92年のMP4/7のみでした。ハイテク装備満載のウィリアムズ・ルノーが圧倒的速さでタイトルを獲得した年ですね。パワーではホンダV12のがルノーV10より勝っていたのは間違いないですが、エンジン主役の時代からクルマのトータルパッケージ重視の時代へとシフトしたコトが明確になった年でもありました。

ちなみに、5月11日からは「16戦15勝の追憶 ~F1にもたらされたエレクトロニクスの波~」と称してMP4/4~7までのマクラーレン・ホンダがそろい踏みとなるようです。……そういうの連休中にやってよ!

第三期F1活動のマシンではなんといってもBAR006でしょう。佐藤琢磨が表彰台を獲得したマシン。このマシンほど「日本人初優勝」を意識させてくれたマシンは無かったですね。ちょっと琢磨アグレッシブすぎるきらいはあったけど。

それからもうクソミソだったコトしか記憶に無い「アースカラー」のRA107・108も展示されていたんですが、今見てもRA108のフロントセクションのダサいことダサいこと。

F1マシン以外にもインディのマシンやGTカーなども少しあったんですが、個人的にはルマン仕様のNSXがそそられます。このマシンが出走した95年はGTカーが主役の年、そして関谷正徳マクラーレンF1 GT-Rで日本人初の総合優勝を達成した年でもあります。ちなみに写真のガショー組のNSXは開始早々リタイヤ。でもカッコいいので許す(?)。

グランドスタンド

コレクションホールを堪能したあとは、レーシングコースのグランドスタンドに行ってみました。なんかテレビで見たりグランツーリスモで走る限りだともてぎのロードコースって退屈なんですけど、グランドスタンドから見渡せる範囲が広いのはメリットですね。

オーバルは完全に1周まるまる見渡せるようになっており、そういう意味ではオーバルの方がレースの流れがわかりやすいのかなぁ。だが敢えて言おう、鈴鹿が最高であると。

あとまったくの余談なんですが、グランドスタンドの外にいろんな作業用車両が展示されており、その中になんかタチコマみたいなのも居ました。

そんなこんなで

ツインリンクもてぎを堪能したあとは、荒川氏を東京で降ろしそのまま愛知に戻りました。もう少しどこかに泊まっていっても良かったんですけど、特にここから寄りたい場所が思いつかなかったのと、ETC半額のうちに帰った方がいいよなー的な理由によるものです。

しかし帰ってきてまだ間もないところではありますが、また大洗行きたいなぁ……。でもクルマだと疲れるから、次は電車で行きましょうか。